1月1日の朝、伊勢神宮内宮(ないくう)宇治橋前の大鳥居の上にカラスが止まった。誰かが「酉年で大鳥居に鳥」とつぶやくとスマホやデジカメのシャッター音が激しく鳴った。
2017年最初の朝日を宇治橋前大鳥居中央に入れて撮影しようと多くの参拝者らが集まった。鳥居の中央に朝日が出るのは、冬至前後の約2カ月間。カラスは近くに巣があるのか、大鳥居の笠木(かさぎ)によく止まるが、これまで特に話題になったことはない。
伊勢神宮は、内宮と外宮(げくう)両宮を合わせた昨年の年間参拝者数を873万9211人(内宮579万3374人、外宮294万5837人)と発表、過去4番目に多い記録となった(12月31日20時時点で集計)。
1895(明治28)年からの集計で歴代1位は、両宮の式年遷宮が行われた2013年の1420万4816人(内宮884万9738人、外宮535万5078人)。その翌年の2014年の1086万5160人(内宮680万9288、外宮405万5872人)が2位で、3位は宇治橋の架け替え後(架け替えは2009年11月3日)の2010年の882万8851人。
関係者は「昨年5月に主要国首脳会議『G7伊勢志摩サミット』が開催され、首脳たちが伊勢神宮を訪問したことが全国・世界的に注目を集めたため参拝者が増えたのでは」と分析する。
伊勢神宮では、1日「歳旦祭(さいたんさい)」、3日「元始祭(げんしさい)」、7日「昭和天皇祭遙拝(ようはい)」、9日「成人祭」、10日「大麻暦奉製始祭(たいまほうせいはじめさい)」、11日「一月十一日御饌(みけ)」の祭典がそれぞれ行われる。
伊勢市は、伊勢神宮への初詣でを快適に行ってもらうための交通対策として、パーク&バスライドと交通規制を実施。道路の渋滞状況などがリアルタイムで確認できるようウェブカメラを設置しホームページ「らくらく伊勢もうで」上で公開している。
新年からの参拝時間は、1月1日~4日までは終日(24時間)、5日は0時~22時、6日~8日は5時~22時、9日以降は5時~18時まで。伊勢神宮では正月の3日間で48万人の参拝者を見込む。