「伊勢現代美術館」(度会郡南伊勢町、TEL 0599-66-1138)で現在、白いYシャツ約300着を使った作品展「吉本直子展」が開催されている。
1972(昭和47)年兵庫県生まれの吉本さんは、1995年に京都大学教育学部教育心理学科を卒業。同館やアメリカバーモンド、愛知県美術館などで展覧会を開く。
5メートルの高さがある同館のメイン展示スペースを使い、古着の白いシャツ300着を切り刻んで骨のようにしたほか、細長く切ってからひものように再生させたものを輪にした作品「日々の亡霊(Ghost-days gone by)」やシェフコートを切り刻んだ「始めと終わり(the beginning and the end)」、石と衣服を石のように圧縮したものとを並べた「漂流者(Drifters)」など5作品を展示する。
同館スタッフは「一枚一枚、手作業で裁断し紡がれた古着は、誰かが着ていたぬくもりや過ぎ去ったものがぼんやりと浮かんでくるよう。過ぎ去った時を紡ぎ直して、新たに糸へと生まれ変わる。始めと終わりが混在する不思議な世界」と話す。
3月5日は13時から、空想した昆虫を描いて捕まえる吉本さんのワークショップ「空想昆虫採集」(参加費=入館料込み1,000円)を予定する。
開館時間は10時~17時。火曜・水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小・中学生無料。3月20日まで。