羽毛のリサイクル活動「グリーンダウン・プロジェクト」に取り組む河田フェザー（多気郡明和町）とユニー（愛知県稲沢市）が2月6日、三重県庁（津市広明町）を訪れ、収益金の一部を鈴木英敬三重県知事に贈呈した。

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　この日は、1府19県で店舗展開し、環境省の「エコ・ファースト企業」として国内流通業で唯一認定されているユニーの執行役員兼業務サポート本部CSR部の百瀬則子部長が、河田フェザーの河田敏勝社長とエコランドの黒田健社長らと共に県庁を訪れ、ユネスコ世界遺産・熊野古道「紀伊山地の霊場と参詣道」の伊勢路（三重県側）の環境保全活動に役立てるために50万円の目録を鈴木知事に手渡した。

　「グリーンダウン・プロジェクト」は、羽毛製品の回収・リサイクルを通じた社会貢献活動。これまで羽毛布団やダウンジャケットなどに使われている羽毛を洗浄し再生する取り組みがなかったが、2011年から羽毛加工業界国内最大手の河田フェザーが中心になって取り組んでいる。

　同プロジェクトは、エコランドが不要になった羽毛製品を回収し、河田フェザーが洗浄し再生した羽毛を「グリーンダウン」としてリサイクルする。羽毛の安定供給、環境保全（資源の有効活用、焼却処分にともなう二酸化炭素の排出抑制）に加え、障がい者施設を中心とした羽毛リサイクルの仕組みを構築することで、障がい者の就労支援にもつながっている。

　この取り組みでユニーは、家庭で不要になった羽毛布団を店頭で下取り回収し、この下取り収益金と下取り枚数に応じて配付した割引券の利用1枚につき5円を寄付金として積み立て昨年は、和歌山県世界遺産協議会（和歌山県田辺市）へ100万円を寄付した。2016年3月3日～14日に1333枚（収益金47万2,540円）、同10月7日～17日に2654枚（収益金104万4,850円）の羽毛布団を回収した。

　百瀬さんは「羽毛布団を回収してリサイクルすることができたらいいなとずっと検討していたが、技術的に難しいと言われてあきらめていた。そんなときにグリーンダウンプロジェクトのことを知り一昨年から参加させていただいている。熊野古道がいつまでも続くように環境保全活動に役立ててほしい」と話す。

　ユニーはリサイクルした羽毛を使った膝掛けや肩当てなどの新商品を開発し販売を始めている。寄付金は、東紀州地域振興公社（熊野市井戸町）が企画する親子を対象とした熊野古道保全活動体験ツアーや熊野古道保存会の活動に活用される。