生まれる前の記憶「胎内記憶」にフォーカスしたドキュメンタリー映画「かみさまとのやくそく~あなたは親を選んで生まれてきた~」の上映会が4月9日、いせシティプラザ(伊勢市岩渕)で行われた。
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幼児が妊娠中のおなかの中のことを記憶する胎内記憶。同作は胎内記憶研究の第一人者・池川クリニック(神奈川県横浜市)院長で産婦人科医の池川明さんと胎内記憶を持つ子どもとその親に直接インタビューした映像を、一切のナレーションやBGMを入れないでシンプルにまとめた2013年12月リリースのドキュメンタリー映画。研究者や教育者らが子どもたちの話に真剣に耳を傾けることで胎内記憶について掘り下げる。「お母さんを選んで生まれてきた」と語る子どもたちの姿が口コミで話題を呼び、国内外で自主上映会が開かれ観客動員数は12万人を超える。
上映会後、荻久保則男監督がコーディネーターを務め、パネルディスカッションが行われた。パネリストは、映画に出演する池川さん、同じく映画に出演し、地元伊勢市出身で人間の意識の研究や胎内記憶、前世記憶などの研究で第一人者、「なぜ人は生まれ、そして死ぬのか」「人は生まれ変われる。」などの著書を持つ中部大学(愛知県春日井市)教授・バージニア大学客員教授の大門正幸さん、「日本の目覚めは世界の夜明け―今蘇(よみがえ)る縄文の心」「見えない世界の科学が医療を変える―がんの神様ありがとう」などを出版する育成会横浜病院(神奈川県横浜市)院長で外科医の長堀優さん。
池川さんは「赤ちゃんに意識があるということをこれまで学問として教えてもらわなかった。それは子どもに聞いていなかったから。しかし胎内での記憶を持つ子どもたちの証言が次から次に出てくるし、その内容がほぼ共通するという事実は否定できない。胎内の赤ちゃんにも意識があるということを理解して赤ちゃんを感じながらお産することに何か問題ありますか?と問いかけると、母親は素直に理解を示してくれるが、世間からは怪しげなことをしているという目で見られる」と説明する。
大門さんは「(胎内記憶について)現代の医学ではそんなことありえないと相手にしてもらえない。しかしながらちょっと前までは『子育てに愛なんて不要、刺激を与えたら反応する』『子どもに抱きぐせを付けてはいけない』など、わずか50年くらい前までは言われていたのに今はそんなことを言わない。最新の知識は今の知識にすぎない。5年後10年後には全く間違っていることになるかもしれない。自分の胸に問い掛けてみて、納得できることを信じてみては」と投げ掛ける。
長堀さんは「外科医としてやってきた。唯物主義だったが、現場では不思議なことが起こる。否定するのは簡単だが、自分の魂に聞いてみて納得できなかった。見えない世界を視野に入れると医学の世界が全く変わって見えてくる」と話す。
荻久保監督は「大人が子どもの目線まで顔を下げて子どもの言うことをちゃんと聞いてあげる。これまでそれをしてこなかった。子どもをちゃんと一人の人間として扱っていくということを映画の中で最も伝えたかった」と話す。