伊勢神宮創建に関わった倭姫命(やまとひめのみこと)が立ち寄ったとされる磯神社(伊勢市磯町)のヒラドツツジが4月20日、見頃を迎えている。
「皇大神宮儀式帳」「延喜式神名帳」にも「伊蘇宮」「磯宮」と載る同神社。創立は紀元前5(垂仁天皇25)年3月。倭姫命の巡幸地「元伊勢」としても知られるが、元々は国道23号線と近鉄の橋の間の川の中辺りにあったとされる。宮川の洪水で崩壊し流され、今の場所に鎮座。祭神は天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみみたま)、豊宇気毘賣大神(とようけびめのおおみかみ)、木花之佐久夜毘賣神(このはなのさくやびめのかみ)などを祭る。境内には樹齢700年以上のクスノキがご神木として森を守っている。
ヒラドツツジは、同神社を囲う石垣と境内地の「磯つつじ公園」に植えられた約300本。白やピンク、赤紫の色の花が咲き誇る。そのほか境内には浦島太郎が釣りをしているように見えることから名付けられた「ウラシマソウ」(サトイモ科テンナンショウ属)の花も咲く。
宮司の上野和美さんは「毎年磯町老人会の皆さまがツツジが咲き終わったころに剪定(せんてい)してくれるおかげでこうして美しい花を付けてくれて、多くの人が花見に来てくれるのでありがたい。毎年ゴールデンウイークに見頃を迎えるが、今年はサクラ同様に早そう。5月までは持たないようなので、早めに見に来ていただければ」と呼び掛ける。
21日には、例大祭が10時から執り行われる。