皇学館大学(伊勢市神田久志本町)現代日本社会学部の学生3人と伊勢の製菓店「LA RICHE-TERRE(ラ・リシュテール)」(旭町、TEL 0596-26-1888)が5月12日、マイヤーレモンを使ったケーキの販売を開始した。
3人は、イノベーション・経営哲学・マネジメントなどを教える遠藤司准教授のゼミ出身の中山拓磨(たくま)さん、世古晶大(しょうた)さん、森本春那さん。同店は、タラサ志摩スパ&リゾート(鳥羽市)でメインパティシエを務めた北川裕土(ひろのり)さんが開業した製菓店。伊勢志摩地方の特産品である海藻「アオサ」を入れたフランスパン「あおさパン」は北川さんが開発した商品。それまで「青のり」や「みそ汁の具」でしかなかったアオサをメジャー食材に押し上げたきっかけとなった商品。
マイヤーレモンは、オレンジとレモンの配合種で、皮ごと食べられるほど皮が薄く甘みが強いのが特徴。熟すとオレンジの濃い色になり、酸味だけでなく甘みがありレモンとミカンの両方を味わうことができる。マイヤーレモンの国内生産量は約300~400トン。その内の9割以上が三重県産で、生産量全国1位を誇る。
森本さんは「ゼミの先輩が『地域を元気にしたい』という思いで、2年前にマイヤーレモンを使ったサワーを伊勢で販売した。その時初めてマイヤーレモンを知り、味も酸味も良いし、全国1位の生産量にもかかわらず認知度が低く、私たちも含め三重県の人がその事実を知らなかった現状を知り、マイヤーレモンをもっと多くの人に広めたい、特に三重県の人に知ってもらいたいと思った。先輩のその思いを継承したいと昨年11月に生産農家の『たかみ農園』(南牟婁郡阿田和)を訪問しオーナーの田中高美さんから話を聞いた」と説明する。
3人は、同農園からマイヤーレモンを仕入れ、マイヤーレモンの素材を引き出すために砂糖だけで煮込んだマーマレードの瓶詰め(648円)200個を商品化させた。今回、北川さんが協力し、そのマーマレードを使用して、スフレのチーズケーキ「リモネージュ」(454円)、果汁を絞ってクリームにしてタルトにした「マイヤーレモンパイ」(410円)、マドレーヌにマーマレードを入れた「マイヤーレモンマドレーヌ」(216円)の3種類のケーキを作った。
北川さんは「レモンパイはマイヤーレモンの爽やかな果汁を生かしたクリームをパイにした。今回は材料が少量なのでたくさん作ることはできないが、毎日数量限定で販売しているので、学生たちの思いを感じながら購入いただければ」と話す。
「今後の取り組みとして、インスタグラムなどSNSを活用したPRや口コミ、8月17日開催のイベント『SBP 夏の交流フェア』に出店する予定。私たちは4年生なので卒業してからもまた、後輩たちにもこの思いを継承していきたい。みなさまのご協力で多くの人にマイヤーレモンを知っていただければ」と意欲を見せる。
営業時間は10時~19時。第1・第3月曜、火曜定休。