三重県多気町の製薬会社「万協製薬」(多気町仁田)で現在、水虫薬や虫さされ薬などの製造ラインがフル稼働している。
同社の2017年4月~今年3月のスキンケア商品(医療用医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品、雑貨)の製造数量は約2000万個。その内、水虫薬や虫さされ、デリケートゾーンのかゆみ、湿疹、頭皮湿疹、あせも、かぶれなど鎮痒消炎薬といわれる夏物スキンケア医薬品の製造数は約525万個。3月から6月までには約260万個を生産し出荷する。
同社品質管理部部長の濱口高明さんは「毎年梅雨のこの時期に、水虫薬や虫さされ薬など年間の出荷量の半分の生産が集中する。液状タイプやクリームタイプの水虫薬の製造数は年々増加し、現在10社32品目を製造する」と説明する。
松浦信男社長は「一般的に医薬品業界は夏物スキンケア商品を春に生産するが、3月からフル生産している。現在の水虫薬の売れ筋傾向は、金ピカの高級感を出したパッケージデザインで、新有効成分を入れた多機能化にシフトしているのが特徴。必然的に高価格化している」と漏らす。
同社は、医薬品や医薬部外品、スキンケア商品などを製造する薬品メーカー。1960(昭和35)年神戸市で創業したが、1995年の阪神淡路大震災で被災し、1996年に本社工場を現在の多気町に移し再創業。主に大手製薬会社の軟こう・クリーム薬の受託生産を行う。2009年と2017年の2回、経営品質を表彰する日本一の賞「日本経営品質賞」を受賞している。