85歳となった天皇陛下の誕生を祝う「天長祭」が12月23日、伊勢神宮125社で執り行われた。
10時、祭典の始まりを知らせる報鼓(ほうこ)の音が内宮の神域に響き渡ると多くの参拝者が見守る中、小松揮世久(きよひさ)大宮司を先頭に亀田幸弘少宮司が続く神職の列が玉砂利を鳴らしながら忌火屋殿(いみびやでん)前の祓所(はらえど)に整列し、おはらいを行った。その後、正宮(しょうぐう)階段下の御贄調舎(みにえちょうしゃ)にて神饌(しんせん)のアワビを調理し、正宮に入った。
陛下の長寿、国民の平安を祈願する同祭は、7時から外宮(げくう)で、10時から内宮(ないくう)でそれぞれ行われ、その後14の別宮でも同様に行われた。摂社末社所管社においては内宮にある五丈殿にて遥祀(ようし)にて行われた。
天皇陛下は、即位礼及び大嘗祭後の「親謁(しんえつ)の儀」で1990年11月27日外宮、同28日内宮、第61回神宮式年遷宮後の1994年3月29日、2001年11月28日、第62回神宮式年遷宮後の2014年3月26日の計4回、伊勢神宮を参拝。天皇陛下として最後となる参拝を来年4月18日に予定している。
この日は満月で、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩の間からは満月が出て、また伊勢市駅前商店街「これわ伊勢モール」では天皇誕生日を祝って竹に穴を開けて光を灯す「竹あかりのお伊勢参り」のイベントが開催された。