三重の地酒を数多く取りそろえる酒販店「べんのや酒店」(志摩市志摩町、TEL 0599-85-0420)が1月5日、同じ志摩市内の鵜方地区に試飲バーを併設した酒販店「KANPAI ISESHIMA(カンパイイセシマ)」(同阿児町、TEL 0599-44-0707)をオープンした。
漁業と真珠養殖業が盛んな和具地区で1963(昭和38)年に創業した同店。4代目の竹内伸樹さんは三重県の日本酒を多くの人にもっと知ってもらおうと2006年から三重の地酒に力を入れて販売してきた。2008年には、三重の地酒11蔵元40品目集め試飲会イベント「酒宴」を開き、その後も何度も開催する。蔵元には販売まではしないが美味しい酒があることに目を付け、門外不出の日本酒をオリジナルブランド「No Name(ノーネーム)~名もなき酒~」として限定販売し、新しい日本酒ファンを獲得してきた実績を持つ。
2016年に伊勢志摩サミットが開催されるとわかった2015年には、首脳たちが食事の時に飲む酒「乾杯酒」に三重県産を選んでもらえるようにさまざまなイベントを開き、三重の地酒の良さをアピールした。
新店舗は近鉄横山駅から徒歩5分の立地で、国道沿いで広い駐車場も完備する商業施設の一角を借りた。コンセプトは「三重県をさらに美味しくする酒屋」で三重県の地酒を中心に県内各地の逸品(食品)などを販売する。
竹内さんは「やりだした当時、三重の蔵元さんにお声を掛けた時は48蔵あったが、今は35蔵にまで減ってしまった。少しでも多くの人に三重の地酒の美味しさを知ってほしいと思い、念願のテイスティングカウンターも設置した。有料になるが常時10種類くらいのお酒が試飲できるようにしたい」と話す。
若戎(わかえびす)酒造(伊賀市)社長の重藤邦子さんは「竹内さんは、これまで何度もイベントのお手伝いに来てくれたり、三重の酒を取り扱い、PRし続けていただいていることがとてもありがたく、感謝している。何かできることがあればいつでも協力したい。新店舗が繁盛しますように」とエールを送る。
竹内さんは「店舗の隣がイタリアンレストランなので、イタリアンと日本酒のイベントやテイスティングバーでのオリジナルイタリアンおつまみを作ってもらうなどコラボできれば」とも。
現在、取り扱うメーカー数は、日本酒28蔵、日本酒銘柄数40銘柄以上、ワイナリー1社、地ビール1社。伊勢志摩サミットで乾杯酒、食中酒に選ばれた清水清三郎商店(鈴鹿市)の「作(ざく)智 純米大吟醸 滴取り」「作 穂乃智 純米酒 」、元坂酒造(多気郡)の「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦」、宮崎本店(四日市市)の「宮の雪(純米酒)」、大田酒造(伊賀市)の「半蔵 純米大吟醸」、瀧自慢酒造(名張市)の「瀧自慢 辛口純米 滝水流(はやせ)純米酒」も取り扱う(現在は完売のものもある)。
三重の蔵元と銘柄は以下の通り。
後藤酒造(桑名市)「颯(はやて)」「青雲」、細川酒造(同)「上げ馬」、安達本家酒造(三重郡朝日町)「富士の光」「清」、稲垣酒造場(同)「御山杉(みやますぎ)」、早川酒造部(三重郡川越町)「天一」「天慶」、タカハシ酒造(四日市市)「天遊琳(てんゆうりん)」「伊勢の白酒(しろき)」、石川酒造(同)「やまいし」、伊藤酒造(同)「鈿女(うづめ)」「泗水郷 佐倉」、丸彦酒造(同)「三重の寒梅」、宮崎本店(同)「宮の雪」、早川酒造(三重郡菰野町)「田光(たびか)」「早春」、清水清三郎商店(鈴鹿市)「作」「鈴鹿川」「イセノハナ」、寒紅梅酒造(津市)「寒紅梅」、油正(あぶしょう)(津市)「初日」、中山酒造(松阪市)「白米城」、新良(にら)酒造(同)「夢窓(むそう)」、元坂酒造(多気郡大台町)「酒屋八兵衛」「心眼(こころめ)」 、河武(かわぶ)醸造(多気郡多気町)「鉾杉(ほこすぎ)」、伊勢萬(伊勢市)「おかげさま」、「若戎酒造」(伊賀市)「義左衛門」「真秀(まほ)」「若戎」、橋本酒造(同)「俳聖芭蕉(はいせいばしょう)」、森喜酒造場(同)「るみ子の酒」「英」「Rie style」、大田酒造(同)「半蔵」「大田」、中井酒造場(同)「三重錦」、森本仙右衛門商店(同)「黒松翁」、福持酒造場(名張市)「天下錦」、澤佐酒造(同)「参宮」、瀧自慢酒造(同)「瀧自慢」。ワインは、國津果實酒(くにつかじつしゅ)醸造所(名張市)、地ビールは、伊勢角屋麦酒(伊勢市)。
営業時間は10時~19時(12時~14時は配達のためクローズ)、火曜定休(イベント出店時は臨時休業あり)。