伊勢出身の詩人・竹内浩三の「生誕祭」が5月12日、赤門寺正寿院(伊勢市岩渕)で開催された。主催は赤門三ッ星会。
1921(大正10)年5月12日、伊勢市(旧宇治山田市)生まれの竹内浩三は、日本の映画監督小津安二郎が通った三重県立宇治山田中学校(現・三重県立宇治山田高等学校)を卒業し、その後小津と同じ映画監督を目指し、日本大学専門部映画科入学。卒業後1942(昭和17)年21歳で軍隊に入隊し、1945(昭和20)年4月9日、太平洋戦争フィリピンバギオ島にて戦死した。1942年6月には友人らと同人誌「伊勢文学」を創刊。入営中の1944(昭和19)年1月1日から7月27日までに書きつづった日記「筑波日記」は、宮沢賢治の本をくり抜いた中に隠し、検閲をくぐり抜けたといい、実姉の松島こうさんの元に送り届けられた。死後、友人や実姉らによって生前に書いた詩や漫画などがまとめられ作品が世に知られることとなった。
多くの人に竹内浩三の詩を知ってもらおうと月に一度、竹内浩三の詩を朗読する活動を行っている同会。2011年6月12日には生誕90周年イベントを開催した。今年で19回目となる「生誕祭」は、今回からプログラムに「生誕100年記念(2021年)第1回」と記し、2年後の生誕100年に向けての思いを込めた。
この日は3部構成で展開し、第1部は竹内浩三を写真で紹介したほか、第2部は南伊勢町出身の詩人下社裕基さんによる竹内浩三の話、第3部は皇学館大学演劇部や青年劇場メンバーらによる竹内浩三の詩の朗読会を行った。2011年6月12日には生誕90周年のイベントを開催した。
同寺院元住職で同会メンバーの御堂光博さんは「今日が竹内浩三さん98歳の誕生日。来年が99歳、2021年が100歳となるので生誕100年に向けてホップ・ステップ・ジャンプと未来に向けて発信していきたい」と話す。