伊勢神宮の祭典や自然などを撮る写真家Kankan(カンカン)さんが3月21日、神宮の風景などを伝える写真集「伊勢神宮 誠極まる大聖地(Absolutely The JINGU)」(ラシリン)を発売した。
東京都出身のKankanさんは、神社仏閣、自然、野鳥などを撮る写真家で、これまで伊勢神宮に関する本を16冊、高野山の本を5冊発行する。2006(平成18)年の冬至の宇治橋を撮影して以来、伊勢神宮の祭典や神宮の自然、2013(平成25)年に行われた第62回式年遷宮など今も継続的に撮影している。
写真集は、見開きで一枚の写真43枚と、中表紙1ページに1枚、表紙カバーに1枚を収録し、和紙で包み、きり箱に入れた。写真以外の解説などは付けず、付録の冊子にそれぞれの写真のタイトル、解説、撮影時の心境などをつづった。
作品は、神宮祭主の黒田清子さん、前・神宮祭主の池田厚子さんが奉仕する姿、遷宮諸祭、遷御(せんぎょ)、神宮創建以来毎日行われているという日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)の一コマ、天の川や北極星の光る夜の神宮、サクラやホタル、紅葉など四季折々の神宮を選んだ。
Kankanさんは「伊勢神宮を撮影させていただいてこれまで30万回以上シャッターを切っていると思う。写真集にはその30万枚からまず600枚を選んでさらに200枚に絞り、最終的に45枚を選んだ。掲載させていただいた写真たちは、一期一会のごとき瞬間の時空を切り取ったものだが、一枚の作品にするまでに何年もの歳月を必要としたものもある。内宮(ないくう)第一鳥居とホタルの写真に至っては、撮影はほんの20秒足らずだが、構想から20年要した」と説明する。
「私は、写真家である前に崇敬者。どうにかして神仏のお役に立ちたいと考える。写真はその手段と言って差し支えない。人が見て何かしらの感動を抱いてくれたら幸い」と話す。
価格は1万5,300円。インターネットのみで販売する。