伊勢神宮内宮(ないくう)別宮の「風日祈宮(かざひのみのみや)」と外宮(げくう)の「風宮(かぜのみや)」を中心とする伊勢神宮125社で8月4日、風の神様に感謝しさらなる五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「風日祈祭(かざひのみさい)」が執り行われた。
同祭は毎年2回、5月14日と8月4日に行われ、5月には雨風を凌(しの)ぐ「蓑(みの)」と「笠(かさ)」を奉納し、8月は稲がさらに実って穂を垂れて成長するようにと五穀豊穣を祈願する。
神風を起こし日本を救ったとされる内宮と外宮にある両宮は風の神様として知られ、イザナギとイザナミの間に生まれた級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)が祭神。鎌倉時代、蒙古襲来・元寇(1274年文永の役、1281年弘安の役)の時に2度の神風を吹かせ国難を救ったとされ、その功績から1293(正応6)年に末社格の「神社」から「別宮」に昇格した。「神風の」は伊勢に掛かる枕詞(まくらことば)。
神宮司庁広報課長の音羽悟さんは「風日祈宮は『かざひの』『みのみや』ではなく、『かざひ』『のみのみや』と切るのが正しい。『のみる』という言葉が祈るという意味に通じるから」と説明する。