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鳥羽水族館のダイオウグソクムシNo.23に脱皮の兆候 謎の生態解明に光

鳥羽水族館のダイオウグソクムシNo.23に脱皮の兆候 謎の生態解明に光

鳥羽水族館のダイオウグソクムシNo.23に脱皮の兆候 謎の生態解明に光

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 鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)で飼育展示中の深海生物「ダイオウグソクムシ」No.23に現在、脱皮の兆候が見られる。

【その他の画像】脱皮の兆候が見られるダイオウグソクムシNo.23

 ダイオウグソクムシは、ダンゴムシやフナムシの仲間で、等脚目の中で20~45センチの大きさになる世界最大種。エビやカニと同様の腹部にある腹肢を上下させ海中を遊泳。節足動物門甲殻綱等脚目スナホリムシ科。メキシコ湾や西大西洋周辺の200~1000メートルの深さの海底に生息し、7対の脚、尾部にとげを持ち、堅い甲は外敵から身を守るためのものであると考えられ、堆積するごみや落ちてくる魚の死骸などを食べ「海の掃除屋」と呼ばれていたが、生態はよく分かっていない。

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 同館では、2007(平成19)年9月9日入館のNo.1が、2009(平成21)年1月2日に50グラムのマアジを食べたきり、5年43日(1869日)何も食べずに絶食し続け、2014(平成26)年2月14日死んだ。同館は5年以上絶食するNo.1が話題を集め、多くのメディアに取り上げられ、ダイオウグソクムシ人気にあやかりこれまで28匹を飼育、現在は、No.12(2013.7.19入館)、No.14(2013.7.19入館)、No.23(2014.5.30入館)、No.28(2016.10.8入館)以上4匹の雄とNo.24(2015.8.21入館)の雌の計5匹を飼育展示中。

 これまで、国内のダイオウグソクムシの飼育下での脱皮事例は3件。2012(平成24)年7月26日入館のNo.5が2016(平成28)年1月19日ごろ、体の前半部が白くなっているのを確認し、2月12日に体の後半部の脱皮に成功。国内初の脱皮となったが、前半部の脱皮をすることなく2016(平成28)年4月1日にへい死した。その後2013(平成25)年7月19日入館のNo.13が2016(平成28)年8月11日ごろ前半部が白くなっているのを確認し、9月14日の夜から15日にかけて脱皮したが、10月1日へい死。同館以外では新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)で2018(平成30)年6月14日に前半部分を脱皮し、7月24日にへい死している。

 No.23は、9月1日に前半部の殻が白くなっているのを同館飼育員の森滝丈也さんが確認。森滝さんは「これまでの2例を参考にすると、前半部が白くなってから30日前後で脱皮しているので、No.23も脱皮の兆候と考えられる。そろそろ脱いでくれるのでは」と期待している。

 森滝さんは「生態について何も分からなかったダイオウグソクムシだが、体の後半部を脱いだ後に、前半部を脱ぐ『二相性脱皮』を行うダンゴムシの仲間(等脚類)と同じ生態であるようだ。ダイオウグソクムシの場合は脱皮が近づくにつれて前半部の殻が白く変化していくが、おそらく後半部の殻の中のカルシウムを前半部に移動させているので白くなっていると推測している。また脱皮後の個体の第2腹肢を観察すると、脱皮前には無かった交尾針(生殖器)ができているので、脱皮して性成熟に達したと考えられ、脱皮を機にオトナになるのではと思われる。悲願は前半部の脱皮をさせる完全脱皮とその長期飼育」とも。

 「間もなく、体の後半部の脱皮が行われると思うので、お客さまとリアルタイムでダイオウグソクムシの習性を感じる機会になれば」と期待する。

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