NPO法人日本科学士協会(事務局=宮城県仙台市)は12月8日、御木本真珠島(鳥羽市鳥羽)で「真珠」についてのシンポジウムを開催した。
同協会は、科学を研究する研究者を「科学士」「科学指導員」「サイエンスアドバイザー」として認定する機関で、科学の発展・普及・還元を目指す団体。昨年11月に法人化し、全国に広く事業展開する。シンポジウムは同協会の法人格取得を記念したもので、日本応用細胞生物学会(事務局=群馬県高崎市)の第5回大会も同時開催する。
同シンポジウムでは、1893年に御木本幸吉が世界で初めて真珠養殖に成功した地を、科学技術が社会に還元され発展した象徴の地と捉え、伝統的技術の継承・発展をくり返した真珠養殖から生まれた真珠が、日本の特産品とし、また産業として構築してきた現在について学んだ。
第1部は一般公開され、真珠博物館の松月清郎館長が「真珠の文化史」、ミキモト真珠研究所の永井清仁さんは「真珠の科学」について、それぞれ講演。第2部では「真珠」についてさらに掘り下げ、「養殖技術」「真珠貝の育種、遺伝」「真珠を形成する組織と細胞」「真珠の遺伝子」「化粧品、健康食品としての『真珠・真珠貝』の利用」をテーマに講演があった。地元真珠養殖関係者や研究者など41人が参加した。
同協会では会員の募集も行っている。問い合わせ先は同協会事務局(宮城県仙台市太白区中田3-8-2、メール=S3inooka@aol.com)まで。