鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-2555)の入社式が3月31日、同館で最も大きい水槽の中で行われた。
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新型コロナウイルス感染を防止するため来館者と従業員全員には、入館前に体温測定、アルコール消毒、マスク着用をお願いするなど対策を徹底する。同館は3月2日から15日まで休館を実施したが、その後20日まで休館延長し、21日に営業を再開した。
入社式の会場は、エントランス正面にある「コーラルリーフダイビング水槽」の中。水量約800トン、奥行き15メートル、幅16メートル、深さ5.5メートルで、アオウミガメやナポレオンフィッシュなど約50種3000匹の魚たちが泳ぐ。
初心者マーク付きの空気ボンベを背負う新入社員は、飼育研究部に所属される愛知県出身の土方悠矢さん、静岡県出身の村松那美さん、千葉県出身の坂下綾音さん、営業第1部に所属される愛知県出身の曽根崎達也さんの4人。今年度は男性2人、女性5人の計7人が入社する。
毎年入館者が最も多い時間帯の昼前後に行う入社式だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため早朝の9時30分から行った。
水中入社式では、奥出協(かなう)館長からの祝辞の後、辞令書が読み上げられ、水中の三谷伸也さんから土方さんに手渡された。続いて飼育係の先輩からガラス磨き用のスポンジがプレゼントされると、水槽磨きの手ほどきを受け、優しく指導を受けた。
村松さんは、水中から「このように盛大な入社式を催していただきありがとうございます。一日も早く一人前の飼育係として、生き物とお客さまの懸け橋となれるよう頑張ります」とあいさつした。
奥出館長は「今回で14回目となる水中入社式を通常通り行うか、やめるか、無観客にするか、非常に悩んだ。しかしながら未来のある新入社員たちのためにしてあげたいという思いと、コロナで閉塞(へいそく)感漂う世の中に少しでも明るいニュースを届けたいと思い、観客30人と、新入社員の家族だけに限らせていただき、早朝の入館者が最も少ない時間に実施することにした」と話す。
「今後も政府や三重県の動向を常に確認しながら、休館するなどの運営体制も見極めていく予定」とも。