志摩市浜島町南張(なんばり)の実家を私設の公園「コーエン」に作り、子どもたちに自由に開放している鈴鹿市在住の澤村共一さんが現在、子どもたちにどうやって公園に来てもらったらいいか悩んでいる。
約100坪の土地と築90年以上の約25坪の家を子どもたちの遊び場に草木を植えたり遊具を自作したり、毎週土曜、日曜に鈴鹿から通いながら「コーエン」作りに励む澤村さん。子どもたちからはキョーイチさんと呼ばれている。
「コーエン」の外にはブランコ、滑り台、シーソー、砂場、家の中には、小さな家や床をくり抜いて作った木組みのアスレチック遊具など全て澤村さんが手作りする。自由に遊んでいいことを知らなければ、庭のきれいな普通の民家にしか見えない。澤村さんは「子どもたちも最初は恐る恐る遊んでいるが、どこから来たのと声を掛けると会話して安心して遊び出す」と話す。
澤村さんは「子どもたちから遊具が欲しいとリクエストされるとできるだけ叶えてあげられるように頑張ってみる。昨年の11月末から1月10日までの期間で約5.5メートルの高さの『塔』も作った。一番上まで登ると太平洋も見ることができる。あるものを工夫して、どうやって作ったら安全に効率よく作れるかを考えるのが楽しいし、子どもたちがそれで遊んで喜んでいるのを見るのも嬉しい。名前を教えてくれた子どもにはネームプレートを作って壁に貼ってあげている。プレートが増えるのも喜びの一つになっている」とほほ笑む。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響を受け、子どもたちに感染させてはいけないと思い、苦渋の決断をして、「コーエン」の入り口に「コロナ感染予防の為 終息の時が来るまで南張の人以外の利用は禁止します!」と書いた看板を設置した。
澤村さんは、「緊急事態宣言も解除されたので、前のように自由に遊んでもらいたいので、どうぞと声を大きく言いたいが、子どもたちが3密となってコロナにかかったらという心配もあるので、未だに悩んでいる。マスクを着けてもらいながら、もし遊びに来た時にたくさんの子どもたちが遊んでいるようだったら、時間を置くなどして、譲り合いながら遊んでもらえればいいのではと思う。子どもたちもずっと家にばかりいただろうから、思いっきりコーエンで遊んで欲しいし…」と複雑な心の内を明かす。