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伊勢発クラフトビール「伊勢角屋麦酒」と「ブルーボトルコーヒー」に深い関係

伊勢発クラフトビール「伊勢角屋麦酒」と「ブルーボトルコーヒー」に深い関係

伊勢発クラフトビール「伊勢角屋麦酒」と「ブルーボトルコーヒー」に深い関係

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 二軒茶屋餅角屋本店(伊勢市神久)が製造販売するクラフトビール「伊勢角屋麦酒(ビール)」と「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」(東京都江東区)が深い関係であることが分かった。

【その他の画像】伊勢角屋麦酒の本社神久工場でブルーボトルコーヒーのコールドブリューコーヒー仕込む

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 伊勢角(いせかど)ビールの名で親しまれている同ビール。「伊勢から世界へ」を合言葉に1997(平成9)年に、21代目社長の鈴木成宗(なりひろ)さんが本店神久にビール工場を立ち上げた。国内外のコンペティションで数多くのメダルを獲得しており、2017(平成29)年と2019(平成31)年には「ビール界のオスカー」ともいわれる歴史のある「IBA(The International Brewing Awards)」で2大会連続、伊勢角の「ペールエール」が金賞に輝き、「世界一」の称号を得た。現在は神久工場から2018(平成30)年9月に、9万リットルのタンクを持つ新設の下野工場に生産拠点を移している。

 「ブルーボトルコーヒー」は、米国カリフォルニア州オークランドで2002(平成14)年創業。「スターバックス」などのシアトル系コーヒーに代表されるコーヒーのセカンドウエーブに次ぐサードウエーブ(コーヒーの第3の波)の代表格として知られ、世界に90店舗以上を展開。日本では2015(平成27)年2月、清澄白河にフラッグシップカフェを初出店し、現在青山や恵比寿、京都、神戸など国内に17店を展開している。

 世界一と評された「ペールエール」が生まれた伊勢の神久工場では、今も銅巻きの1000リットルの仕込み装置(糖化槽+ろ過槽と煮沸釜+沈殿槽)を現役で稼働させているが、ホップの香りではなくコーヒーの香りが漂うようになって2年以上になる。

 鈴木さんは「ブルーボトルコーヒーのアイスコーヒーは神久工場のろ過槽の機能を使い製造している。今は新工場の下野工場にビールの製造拠点を移したため、神久工場の有効活用になっている」と話す。

 同社工場長の谷水和輝さんは「30度の水温の水にブルーボトルコーヒーから送られたひきたてのコーヒー豆を投入してかき混ぜ、16時間掛けて水出しする。出来上がったコーヒーを指定濃度に調整し、空気を抜き窒素ガスを充てんして入れた15リットルのたるを、伊勢から店舗ごとに出荷している。各店舗はビールと同じようにサーバーに、送ったアイスコーヒーのたるを取り付け、注文がある度にサーバーからアイスコーヒーを提供している」と説明する。

 ブルーボトルコーヒー広報担当者は「2018(平成30)年5月からニューオリンズアイスコーヒー(NOLA・ミルク入りコーヒー)を、2019(平成31)年4月からコールドブリューコーヒー(水出しアイスコーヒー)を製造していただいている」と話す。昨年冬ごろから企画し、今年6月11日の「広尾カフェ」オープンに合わせて販売を始めたオリジナルクラフトビール「ブルーボトルコーヒー ペールエール」(生ビール=825円、ボトル=935円)は、定番のブレンドコーヒー「スリーアフリカズ」のコーヒー豆を伊勢角の「ペールエール」に漬け込み造った。同18日から国内全店で販売を始め、好評を得ているという。

 鈴木さんは「米国、海外ではブルワリーで作られたアイスコーヒーを直営のブルーパブで出したりしているので客も、クラフトビール工場でもアイスコーヒーが作ることができることをよく知っている。米国では清涼飲料の製造免許の取得要件は簡単らしいが、日本ではとても大変で難しく、当時、私たちも何度も保健所に通い、製造許可をもらった」と振り返る。

 鈴木さんは「ブルーボトルコーヒーさんとは良好な関係を築いている。『ブルーボトルコーヒー ペールエール』も好評なようでうれしい」とほほ笑む。

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