相可高校(多気郡多気町)食物調理科調理師コース出身の林真衣さんが8月1日、チーズテリーヌのテークアウト専門店「KURATA(クラタ)」(同)を開業した。
林さんは、書籍化・ドラマ化され話題になった「高校生レストラン」(同)を運営する同校同科10期生。卒業後、伊勢神宮外宮(げくう)前にあるフレンチレストラン「BonVivant(ボン・ヴィヴァン)」(伊勢市本町)で10年修業し、「和フレンチ 新上屋」(松阪市日野町)で今年4月末までの3年間シェフを務めた。現在32歳。
林さんは「私の人生の進路が決まったのは、高校2年生の時に職場体験で研修生として受け入れてくれたボン・ヴィヴァンの河瀬毅シェフに出会ったこと。卒業後、河瀬シェフの下で料理を学びたいと思い、そのまま働かせていただけることになった。料理を作ることが好きだという理由でなんとなく食物調理科に入ったが、河瀬シェフとの出会いで、自分の作ったお料理を食べていただくことで多くの人に幸せになってもらいたいと強く思うようになった」と話す。
販売する商品は、チーズケーキに分類されるチーズテリーヌ1種類。林さんは、これまで世界中のチーズ50種類以上を取り寄せ、焼き方やチーズの調合など何度も変えながら、1000回以上の試行錯誤を繰り返した。
「材料全体の約60%がチーズでできている。チーズが持つ酸味や塩味を生かし、レモンや塩、小麦粉を使わず、湯せん焼きでレアチーズの口溶けの良さとベイクドチーズケーキの濃厚さを同時に味わえるように仕上げた。1グラム当たりの価格が銀よりも高いといわれるバニラにもこだわり、マダガスカル産のさやバニラを使用した。素材本来の良さを最大限に引き出し、コク・甘味・酸味・香り・味わい・口溶け、すべてを考え尽くし、ついに自分の納得のいく究極のチーズテリーヌが完成した」と林さん。
さらに、イラストレーターのhama158cmさんがデザインしたオリジナルロゴをあしらった箱や紙袋、KURATAの文字を入れたオリジナルのリボンを2種類(ピンクのアニバーサリー用、グレーのノーマル用)用意するなどパッケージにもこだわった。
林さんは「一つ一つ手作りで心を込めて丁寧に作っている。そのため一日に製造できる個数が限られ現在は、完全予約制とさせていただいている。大切な人やお世話になった人への贈り物としてKURATAのチーズテリーヌが選ばれるようになれば。そしてチーズテリーヌをご購入いただくことで、大切な時間(とき)の記憶に残る、普通の日が特別な日になれば嬉しい」とほほ笑む。
購入は、オンラインショップにて。「おとりよせ」は、ブラストチラーによる急速冷却・急速凍結させたものを冷凍発送、「店頭受取り」は冷蔵にて木曜と土曜の11時~17時のみ同店店頭にて受渡しする。賞味期限は、10度以下の冷蔵で3日間、-18度以下の冷凍で3週間。
7月27日に8月分の販売予約を開始したところ約90分で完売。開業以来完売を続け、現在「おとりよせ」は10月5日~11日発送分まで、「店頭受取り」は11月21日分受け取り分まで完売となっている。
チーズテリーヌのサイズは、幅約6センチ、長さ約17センチ、重さ約550グラム、価格は5,400円。「おとりよせ」時の配送料は全国一律1,200円。