皇学館大学(伊勢市神田久志本町)で4月2日、令和3年度の入学式が行われたが、新型コロナウィスル感染拡大防止のため昨年に引き続き式典は中止、各学科ごとで会場を分けた形での入学式となった。
本年度の入学者数は、文学部=345人、教育学部=224人、現代日本社会学部=139人、大学院=13人、神道学専攻科=12人、学部編入=2人で計735人。ピンク色に染まった満開の桜の木の下を真新しい黒のスーツに身を包んだ新入生たち。緊張した面持ちの新入生たちは、それぞれの会場に移動し入学式に臨んだ。
各会場では、窓を開け換気を行うなど、コロナ対策を徹底。新入生や教諭らはマスク着用、検温、手指消毒のうえ会場に入り、間隔を開けて着席した。現代日本社会学部現代日本社会学科の会場では、国歌清聴、令旨奉読、入学許可宣言が行われ、新入生たちに新田均学部長からあいさつがあった。
新田学部長は「現代日本社会学部の合言葉は『日本を動かそう』、身に付けるのは『乗り越える力』。社会人になった時に本当に必要な力を身に付ける、体験すること。何を持って社会に貢献するか。それを知って実現するためにどのような力が必要なのかを、この4年間で身に付けてほしい」とエールを送る。
愛知県名古屋市出身、文学部神道学科の石原草太さんは「高校の倫理の授業で神道を学び、神道に興味を持ち、入学した。神社の空間が好きで惹かれ、神社にはよく行っていた。神職を目指して学んでいきたい」。いなべ市出身、教育学部教育学科の鞘脇(さやわき)直也さんは「皇学館大学出身の先生から学び、自分も教師になりたいと思い、三重県内の教員採用実績が高い皇学館大学に入学することができた。中高とバスケットボールをやっていたこともあり体育の教師を目指したい」。松阪市出身、現代日本社会学部現代日本社会学科の田邊恒輝(たなべこうき)さんは「将来、公務員か教師になりたいと思っている。社会人になった時に地域を盛り上げていける人になりたい」と抱負を語った。
毎年恒例の伊勢神宮への参拝も新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。
来年140周年を迎える同大は、伊勢神宮祭主であった久邇宮朝彦(くにのみやあさひこ)親王により1882(明治15)年、神宮の教育機関として林崎文庫(宇治館町)内に創立。1903(明治36)年から内務省所管の専門学校として、1940(昭和15)年からは文部省(当時)管轄の官立(国立)大学として、神職や教員の人材育成の場を担ったが、連合国総司令部(GHQ)の「神道指令」により1946(昭和21)年に廃学となり、その後大学再興運動によって1962(昭和37)年に私立大学として再興。初代総長は吉田茂元首相、第二代総長は岸信介元首相。