南伊勢町田曽白浜を拠点に空と海のアクティビティーを提供する「アイマークス」(南伊勢町田曽浦、TEL 0599-77-6208)が7月11日、ヨット型グランピングサイト「TASO FOREST MARINA(田曽フォレストマリーナ)」をプレオープンした。
高度1万フィート(約3000メートル)からのスカイダイビングや耕作放棄地となっていたミカン山をオフロード4輪バギーで走るツアー、田曽白浜の海でのSUPやシーカヤックなどビーチスポーツの体験メニューを提供する同社の設立は、2020年11月11日。ニュージーランド出身のスカイダイビングインストラクターらが所属していた米国法人の「i-marks(アイマークス)」(ホノルル)の日本法人(日本支社)として、事業を展開する。
田曽白浜は、宮崎あおいさんや向井理さんが出演する映画「きいろいゾウ」(2013年)や稲垣吾郎さん主演の映画「半世界」(2019年)など映画のロケ地にもなった地だったが、観光地ではなかったため陸地は雑草で覆われ、海岸は流木やゴミが漂着し荒れていた。寂れていた田曽白浜を人の集まるビーチにしようと、「伊勢志摩観光開発」(同)らが中心となって整備。2018(平成30)年にヘリポートを設置し、スカイダイビングサービスを開始。2019(平成31)年に田曽白浜に面した場所にステーキカフェや1棟貸しの宿泊施設・バケーションレンタル(3棟、計42人収容)、昨年8月から耕作放棄地となっていたミカン山をグランピング施設「TASO FOREST CAMP(田曽フォレストキャンプ)」(3サイト、計24人収容)として整備した。
「TASO FOREST MARINA」は、「TASO FOREST CAMP」に併設する耕作放棄地となっていたミカン山の中に3艇のヨットを設置。1サイト4人~8人収容可能で、ヨットのキャビンの中はエアコン、Wi-Fi、電源。テント2張りを常設し、バーベキューコンロ、網、椅子、テーブル、ガスコンロ、ケトル、食器類、シュラフ、フェースタオル、バスタオルなどが付く。サイト名はそれぞれ設置したヨットのメーカー名を付けた。
最も大きい全長約36フィート(約11メートル)の「dehler(デヘラー)」ヨットは、志摩ヨットハーバー(南伊勢町船越)で現役を引退していたもので現役時代には和歌山県の潮岬までセーリングしていたという。「peterson(ピーターソン)」(同約30フィート=約9.1メートル)は約40年前のヨットで現役時代は小笠原諸島まで航海。「yamaha(ヤマハ)」(同約24フィート=約7.3メートル)は昨年まで現役で活躍していた。いずれも船舶検査に合格し、船舶検査済票を持つ。
「TASO FOREST MARINA」の整備を担当する佐々木正典さんは「今ある自然を残したいと思い、木もできるだけ切らないで整備したため、ヨットを森の中に設置するのが大変だった。現地で見てもらうとわかるが、どうやって入れたの?と感じてもらえると思う。ヨットのキールやラダーも残したかったので、大きいヨットのキールは2メートル以上を土の中に埋設した。ヨットを宿泊施設として活用するグランピングサイトは、おそらく日本初」と話す。
佐々木さんは「元々、ミカン山で段々畑になっていたので、高低差を利用しサイトを整備した。8月1日のグランドオープンまでには、森の中にマリーナがあるような演出で桟橋を作り、入浴施設を完成させ、より充実させていく予定。『手ぶらでキャンプ』サイトやフリーキャンプサイト(6~7サイト)も整備を予定している。夜のマリーナをイメージして整備したので夜の雰囲気を味わってほしい」とも。
チェックイン時刻は15時、チェックアウト時刻は10時。宿泊料金は4人まで28,000円~(土曜・祝日の前日、GW、年末年始、7月21日から9月30日は40,000円から)。7月31日までのプレオープン期間は、料金を5,000円割り引く。