東京オリンピック・フェンシング男子エペ団体戦で優勝し、金メダリストとなった鳥羽市出身の山田優さんのトークショーとフェンシング教室が1月10日、鳥羽市民体育館サブアリーナ(鳥羽市大明東町)で行われた。主催は「鳥羽のオリンピック選手を応援する会」。
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当日は、トークショーに114人、チャンバラフェンシングに29人、フェンシング教室に23人が参加。
DJケチャップさんが進行役を務めたトークショーで、山田さんは「2017(平成29)年に全日本で初優勝したもののスランプに」と打ち明け、2019年に引退した妻の里衣(旧姓・大橋)さんの励ましや同年に千葉で開催されたアジア選手権での日本人初となる優勝などで立ち直った経験などを披露した。
1年の延期を経て昨年、開催された東京オリンピックについて、山田さんは「鳥羽からもらったったくさんのビデオレターが力になった。優勝した時は金メダルを取ったという実感はなかった。鳥羽に帰って来て一番印象に残っているのは、(お世話になった鳥羽市のたこ焼き店にあいさつに行った際、偶然居合わせた)女の子に金メダルを掛けてあげたら、その子がフェンシングを初めたこと」と話した。
ケチャップさんが会場に呼び掛け、その時の女の子がいるかを尋ねると、同市加茂小学校2年の岩佐佳宝さん(8歳)がステージに上がった。「フェンシングを始めたのは夏休みが終わった頃から。きっかけは山田優選手から金メダルを掛けてもらったから」と答えると大きな拍手が鳴り響いた。「今はフェンシングが楽しい」と佳宝さん。
山田さんは「佳宝ちゃんに僕から金メダルを掛けてあげたから、次は佳宝ちゃんが僕に金メダルを掛けてね」と話し掛けると、佳宝さんは大きくうなずき、2人で約束の指切りを行った。
参加者はトークショーの後、子ども向けのチャンバラフェンシングや経験者対象のフェンシング教室で山田さんから直接指導を受けた。
佳宝さんは山田さんとチャンバラフェンシングで夢の対戦を行い、山田さんに勝利した。佳宝さんは「とても楽しかった。将来はオリンピックに出場して金メダルを取りたい」とほほ笑んだ。