約98%を伊勢志摩で撮影した映画「ニワトリ☆フェニックス」の先行試写会が3月27日、イオン109シネマズ(明和町)と玉城町中央公民館総合グラウンド(玉城町)に特設したドライブインシアターで行われ、俳優の井浦新さんや成田凌さん、紗羅マリーさんらが舞台あいさつを行った。
共同生活を送るアパートを舞台に癖のある住人たちの人間模様を描いた「バイオレンス・ラブ・ファンタジー」の映画「ニワトリ★スター」(2018年公開)で、大麻の売人・雨屋草太を演じる井浦さんと全身タトゥーの赤ひげモヒカン男・星野楽人を演じる成田さんらメインキャストはそのままに制作された同作は、草太と楽人が伝説の「火の鳥」を探す旅を追うロードムービー。LiLiCoさん、津田寛治さん、阿部亮平さん、火野正平さん、奥田瑛二さんらが出演、前作と同じく監督・脚本をかなた狼さんが務める。
会場のグラウンドには、白いスクリーンを取り囲むように、抽選に当選したグループが乗る車約60台が駐車した。劇中で草太と楽人が乗るオープンのビンテージカーが会場に現れると、観客は車のヘッドライトを点滅させたり、クラクションを鳴らしたりして歓迎した。ビンテージカーは井浦さんがハンドルを握り、助手席に成田さん、後部座席に紗羅さんとかなた監督が乗り、スクリーンの前に停車して笑顔で手を振った。
井浦さんは「伊勢の緩やかな優しいリズムが素晴らしく、おかげさまでその気持ちのいいリズムが映画の中にも反映されている。伊勢志摩の名もなき農道だったり、川だったりどこもみんなすてきだった。撮影中はとても楽しい思い出ばかり」と振り返る。成田さんは「前作のスタッフと話していると楽人のようにねじが外れていった。たくさんの人の協力で完成した映画、ありがとうございます」。紗羅さんは「映画の中でありがとうを伝え合うものはいっぱい見たことがあるが、見る人に対してありがとうが伝わる映画は初めて見たなと感じた。私たちのありがとうが伝われば」と紹介する。
かなた監督は「伊勢の村松の海岸で撮った時、空に火の鳥が現れた時には、現場がすごいことになった。作品の中でもそのシーンが出るが、誰が見ても火の鳥だと思う雲で、あの夕景は生涯忘れられない」と締めくくった。
観覧した伊勢在住の女性は「成田さんのファンで、直接会えてとてもうれしい。監督が言っていた火の鳥の夕景を同時に見ていたので、鳥肌が立った」とほほ笑む。
4月15日全国公開。