近畿日本鉄道(以下、近鉄)の人気列車が勢ぞろいする「珍風景」が6月17日、賢島駅ホームで見られた。情報を聞きつけた鉄道ファンが踏切周辺に集まり、一時騒然となった。
【その他の画像】賢島駅に「しまかぜ」3編成と「ひのとり」並ぶ「珍風景」
「G7三重・伊勢志摩交通大臣会合」が志摩市の賢島で開かれている真っただ中の15時ごろ、賢島駅の1番ホームに大阪難波駅行き「伊勢志摩ライナー」、2番ホームに近鉄名古屋行き、3番ホームに大臣らを乗せる臨時車両、4番ホームに大阪難波行きの「しまかぜ」、5番ホームに臨時車両の「ひのとり」が順に並んだ。
賢島駅から大阪難波駅、近鉄名古屋駅、京都駅をそれぞれ結ぶ3編成・青色の「しまかぜ」が同駅にそろうのも珍しいが、そこに、大阪難波駅・近鉄名古屋駅間を走る80000系・赤色の「ひのとり」が停車することは、鉄道ファンにとっては超レアな鉄道風景となった。さらに黄色の「伊勢志摩ライナー」も花を添えた。
12時ごろ、鉄道ファンが踏切周辺に集まり始め、15時ごろには15人程度にまで増えた。それに合わせて周辺の警備を行う三重県の警察官10人ほどが駆けつけ警備を強化。中には金属探知機で所持品を検査されている人もいた。
「しまかぜ」「ひのとり」は同会合のエクスカーションで大臣らの移動のため近鉄が臨時で用意したもの。大臣らは臨時の「しまかぜ」で移動した。近鉄関係者によると「賢島駅に『しまかぜ』3編成と『ひのとり』が同時に並ぶのは今回が初めて。さらに5番ホームに『ひのとり』が着くことは大変珍しい」と話す。
警備に当たる警察官は「近鉄から事前に『珍風景』になるので鉄道ファンが集まる可能性があることを知らされていた。事前の警備計画においても想定していたので、特に警備上の問題はなかったが、鉄道ファンの情報収集能力には毎度驚かされる」と苦笑する。
大きな望遠レンズのカメラを持つ男性は「G7交通大臣会合のおかげで貴重な一枚が撮れた。斉藤鉄夫国土交通大臣も鉄道マニアなので会合を成功させてほしい」と話していた。