明和町在住の文筆家・千種清美さんが6月20日、ガイドブック「伊勢西国三十三所観音巡礼~もう一つのお伊勢参り」(風媒社)を発刊した。
【その他の画像】千種清美さんが伊勢西国三十三所観音巡礼~もう一つのお伊勢参り」出版
平安時代に始まり1000年以上の歴史がある伊勢西国三十三所観音巡礼は、伊勢参宮の後に鳥羽市から桑名市までの寺院を伊勢周辺から北上するルートで参拝する観音巡礼。江戸時代には「もう一つのお伊勢参り」と呼ばれていた。2006(平成18)年に対象の寺院の住職らで「伊勢西国三十三所霊場会」を組織し、巡礼を再編。公式納経帳(ご朱印帳)を3000冊作るなどの活動が身を結び、近年バスツアーなども組まれ、巡礼目的の参拝者も増えているという。
同著は、千種さんが2019年9月から約4年間かけて自身の足で歩き直接取材した記録をまとめた。クジラの背に乗って現れたという観音像を祭る正福寺(鳥羽市松尾町)や創建1300年とされフジの花の名所・太江寺(伊勢市二見町)、標高555メートルの朝熊岳山頂に立つ金剛證寺(伊勢市朝熊町)、龍神伝説を持つ松尾観音寺(伊勢市楠部町)など、33の寺院に番外や元番を加えた39の寺院を紹介する。
同霊場会の事務局長を務める松尾観音寺の木造隆誠住職は「霊場会は宗派を超えた住職が集まり盛り上げようとPRを重ねてきた。令和になった年には霊場会で平和を祈願する令和祈念大法要を行った。1993(平成5)年時は年間2、3人だった巡礼者は100人以上になった」と話す。
千種さんは「全ての寺院を巡り、巡礼という参拝方法がとても楽しいことに気付いた。次の観音様はどんなお姿だろうとわくわくする気持ちになった。このガイドブックを手に、観音巡礼を楽しんでもらえれば」と勧める。
A5判140ページ。価格は1,760円。