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「伊勢人に慕われる倭姫命」伊勢神宮でシンポジウム 倭姫宮100周年で

「伊勢人に慕われる倭姫命」伊勢神宮でシンポジウム 倭姫宮100周年で(撮影=岩咲滋雨)

「伊勢人に慕われる倭姫命」伊勢神宮でシンポジウム 倭姫宮100周年で(撮影=岩咲滋雨)

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 伊勢神宮内宮(ないくう)別宮「倭姫宮(やまとひめぐう)」(伊勢市楠部町)の創建100周年を記念したシンポジウムが11月4日、伊勢神宮内宮内の参集殿2階講堂で開催された。

【その他の画像】「倭姫宮ご鎮座100周年奉祝記念行事」

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 皇学館大学名誉教授の櫻井治男さんが「時空をつなぐ倭姫命(やまとひめのみこと)~倭姫宮ご鎮座百周年に寄せて~」と題した講演を。その後、櫻井さん、倭姫宮御杖代(みつえしろ)奉賛会会長の牧戸福司さん、神宮司庁広報室次長の音羽悟さんが登壇、文筆家の千種清美さんのコーディネートで「(倭姫宮の)これまでの100年、これからの100年」と題してシンポジウムを行った。同シンポは倭姫宮御杖代奉賛会主催の「倭姫宮ご鎮座100周年奉祝記念行事」の一環。

 倭姫命は第11代垂仁天皇の皇女で、日本武尊(やまとたけるのみこと)の叔母に当たり、日本武尊に三種の神器の一つ・草薙剣(くさなぎのつるぎ)を与えたとされる。2000年前、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を求めて各地を転々と巡り、伊勢にたどり着き、今の伊勢神宮を創建したとされる。1923(大正12)年11月5日に倭姫命を祭る倭姫宮が完成し、今年は創建100周年に当たる。

 講演会で櫻井さんは、倭姫宮創建時、奉祝行事に2700人の市民が参加して祝ったこと、伊勢の人に今も慕われ続けていることや倭姫命の人物像について過去の文献や描かれた絵画などから考察。なぜ伊勢神宮125社の中で倭姫宮が最後まで建てられなかったのかなどについて説明した。

 シンポジウムで音羽さんは、市内で倭姫命を祭っていた社があったことをさまざまな角度から説明、「次の100年に風化しないようにしていかなければいけない」と力説。牧戸さんは「今年は前回の式年遷宮からちょうど10年で中間地点。倭姫命をテーマにした『これが日本の国づくりだ』といったテレビドラマができるように働きかけていきたい」。櫻井さんは「現在の倭姫宮は100年かけて完成した森であること、SDGs的な視点からも環境学。海外の人へもっとPRし観光につなげ、環境学と観光学を同時に学べる場所として取り組むことができれば」と話す。

 千種さんは「ある方から、倭姫命さんは伊勢の人にとって『井戸を掘った人』と説明されたことがとても腹に落ちた。地域の人に水を与え、生活に潤いを与えた人に感謝するのは当然のこと。次の100年にも、その泉を絶やさないようにしなければいけない」とまとめた。

 シンポジウムが終わると1階の神宮奉納舞台で、雅楽師の東儀秀樹さんの笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などによる奉納演奏が行われた。

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