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表千家の茶人・金森得水が残した茶室「玄甲舎」で石州流と裏千家が茶会

表千家の茶人・金森得水が残した茶室「玄甲舎」で石州流と裏千家が茶会

表千家の茶人・金森得水が残した茶室「玄甲舎」で石州流と裏千家が茶会

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 田丸城主・久野丹波守(くのたんばのかみ)の家老で表千家の茶人でもあった金森得水(かなもりとくすい)が残した茶室「玄甲舎(げんこうしゃ)」(玉城町)で6月9日、豊浦石州流(とゆらせきしゅうりゅう)と裏千家が流派を超えて茶会を開いた。

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 玉城町の文化財にも指定されている「玄甲舎」は、金森得水(1786~1865年)により設計・建築された江戸時代後期の茶室兼別邸。千利休が営んだ「残月亭」「不審庵」などの有名な茶室を再建した大工・庄五郎が1847年に建てた。約250坪の庭園に8畳と2畳の茶室、水屋のある西半分の茶室部と東半分の住居部からなる数寄屋作り。玉城町は、2017(平成29)年に建物の改修を、2019年に庭園の復元整備を行い、2020年6月から一般公開している。

 金森得水は、財政の立て直しや産業振興に努め書道や和歌にも精通していた。千利休から続く表千家の千宗左に茶道を学び、玄甲舎ができてからは士族をはじめ各界の名士を招き、流派を超え茶会を開き交流していた。

 金森得水に倣い流派を超えた茶会は、2022年10月に開催して以来2回目。豊浦石州流の上嶋広規さんと裏千家の村井宗玲さん、山下宗
喜さんらが客人をもてなした。

 豊浦石州流の茶会では金森得水ゆかりの茶道具20点を紹介。客は茶道の流派としても珍しいため石州流の流儀などについて興味深く話を聞いていた。裏千家の茶会では伊勢神宮の月次祭(つきなみさい)や神嘗祭(かんなめさい)で天皇陛下から贈られる幣帛(へいはく)を入れる柳筥(やないばこ)を模した立礼(りゅうれい)棚や明和町の斎宮遺跡の発掘調査で出た土を使って焼いた茶わんで抹茶を振る舞った。

 村井さんは「玉城町にはこのような素晴らしい茶室があり、一般にも開放してくれるのでありがたい。こういった茶会を通して流派も流儀も関係なく、茶道を習ったことのない人にも気軽に茶湯の心を体験してもらえる機会を増やしていきたい」と話す。

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