地域主役型映画を集めた映画祭「賢島映画祭」が9月8日、「賢島宝生苑(ほうじょうえん)」(志摩市阿児町)で行われる。主催は、映画を通して地域を元気にしようと取り組む「志摩ムービークルーズ」(大王町)。
【その他の画像】プレゼントする10周年を記念したオリジナルトートバッグ
2015(平成27)年から開催し今年で10回目となる同祭。「主役クラスのキャストが最低1人その地域の人であること」「本編が30分以上であること」などの応募条件を設け、映画としての技術的完成度よりも撮影した地域の人々の特色を魅力的に伝えているかを評価する。地域復興の原動力になると認めた最優秀作品に「グランプリ賞」、優秀作品に「準グランプリ賞」、個人賞として「主演男優賞」「主演女優賞」などを贈る。
これまでの全9回のグランプリ受賞作品は「けの汁」(千村利光)、「きみとみる風景」(今西祐子)、「Sun Flower 向日葵」(木内一裕)、「オーバーナイトウォーク」(磯部鉄平)、「いただきガール」(かまだともゆき)、「はらいそクラブ」(山岡聡)、「はだかのおじさん」(青木伸和)、「ぐるり1200キロ、はじまりの旅」(香西志帆)、「せせらぎ荘」(高山凱)(以上、括弧内は監督名)。
俳優の比嘉愛未さんと三浦翔平さんがダブル主演を務め、伊勢志摩を舞台に撮影した映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」監督の田中光敏さんが審査委員長を、編集技師の川島章正さん、スクリプターの松澤一美さん、映画編集技師の光岡紋さん、伊勢市出身・映画プロデューサーの東友章さん、志摩ムービークルーズ会長の橋爪吉生さんが審査委員を、それぞれ務める。
前日には、これまでの活動報告を兼ね、写真や備品、ポスターなどを展示するほか、キッチンカーを集めたプレイベントを志摩市商工会館(阿児町)で開催。映画祭当日は応募作品の中から6作品を上映する。10周年を記念して、同祭開催のきっかけにもなった映画「校歌の卒業式」でヒロイン役を務めた俳優の金澤美穂さんのトークショーも開く。映画「校歌の卒業式」は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などを手がけた志摩市大王町出身の映画プロデューサー故・山際新平さんの母校・船越中学校(大王町)の閉校を機に作った映画。
橋爪会長は「賢島映画祭の開催は、親友だった映画プロデューサーの山際と交わした約束から始まった。賢島での開催にこだわったのは、伊勢志摩サミットが賢島で開催されることが決定したこともあり、首脳たちのほか、映画監督や俳優たち『賢者(けんじゃ)』が賢島、伊勢志摩に大勢で訪問してもらえるようにと思いを込めて合言葉を『賢者が島にやってくる』としたこと」と振り返る。
「これまでに応募された作品は300点以上。第5回で特別賞に選んだ『ひとくず』(上西雄大)はとても素晴らしい作品だったが、地域性の描写が弱かったためグランプリには選ぶことができなかったが、その後、海外の映画祭で高く評価された作品もあった。映画の製作・上映を通して、作り手の地域への思いが地域の魅力を引き出し、映画の力で、より能動的に地域が良い風に変わっていく。そんな映画がこれからも生み出されるように願う」とも。
橋爪さんは「プレイベントには伊勢志摩フィルムコミッションがこれまで手がけた映画『半世界』『ガメラ』『ディア・ファミリー』や木村拓哉さん主演の『believe 君にかける橋』、鈴木亮平さんらが演じた三重県立白山高校の夏の甲子園初出場を描いた『下剋上球児』などのドラマのポスターやグッズも展示する。来場者には10周年を記念したオリジナルトートバッグを進呈する。たくさんの人に来てもらえれば」と呼びかける。
前日のイベント開催時間は10時~15時。当日は9時~17時50分。前売り券は2,500円(昼食弁当付き、限定150枚、締め切り9月6日)で、志摩ムービークルーズ事務局(志摩市大王町船越、TEL 0599-72-2412)で扱う。当日券は1,000円(映画鑑賞のみ)。