「『お父さん、(三重県立)水産高校に行くから』高校合格を受けて、11歳になる娘に報告すると、ポカンと最初は何を言っているのか理解できない様子だった」と、現役漁師と民宿オーナーを兼務する志摩市阿児町甲賀の石神昭年さんは話す。かつての「不良」少年が、30年の年月を経て4月8日、三重県立水産高校(志摩市志摩町和具)海洋科に入学する。
石神さんは、当時通っていた高校を2年で退学になり、その後さまざまな仕事をしながら23歳の時、漁師の兄の船に同乗し「兄弟船」の漁師として働き始める。30歳の時、遠洋マグロ船の乗船経験も持ち、現在は「正洋丸」の船頭として毎朝3時30分に出漁。漁から帰ると「漁師宿もやい」(同市阿児町甲賀、TEL 0599-45-5544)で調理人として包丁を持つ日々を送る。
「漁師(漁業者)を育成しなければ日本の水産業はだめになる。そうしないためにも1から水産高校で勉強してこれまでの漁師経験、社会経験を生かして、将来的には『漁師になるための予備校』を作りたい」(石神さん)。「高校生になっても毎朝の漁は続ける予定。それから、高校生になるので酒とタバコもやめた(笑)。まずは卒業することが目標だが、高校生の間にもいろいろなことにチャレンジしたい」とも。
45歳の石神さんは、41歳で学生服を着て話題になったプロレスラー(元参議院議員)の大仁田厚さんよりも4歳上での入学となる。
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