広島で8歳の時に被爆した小倉桂子さんの講演会が12月15日、「旅荘 海の蝶」(伊勢市二見町)で開催される。主催は伊勢志摩経済新聞。
世界中から科学者が集まり核兵器廃絶、平和について議論する「パグウオッシュ会議世界大会」の登壇者に小倉桂子さん
今年は広島・長崎に原爆が投下され、終戦80年。小倉さんは8歳の時に爆心地から2.4キロ離れた自宅で1945(昭和20)年8月6日8時15分、アメリカ軍によって落とされた1発の原子爆弾によって被爆した。
現在88歳ながらなお、自ら体験したキノコ雲の下で起きた真実を年間約2000人に伝え続けている。英語で被爆体験の証言ができる数少ない被爆者の一人で、2023年に行われた広島サミットでは、G7の首脳たちやウクライナ・ゼレンスキー大統領に直接、核兵器被害の恐ろしさを英語で訴え、昨年12月には「日本原水爆被害者団体協議会」のノーベル平和賞授賞式に被爆体験を英語でスピーチした。「平和のためのヒロシマ通訳者グループ」を1984(昭和59)年に設立する。
小倉さんの講演会は、同日午前に鳥羽小学校(鳥羽市堅神町)の子どもたちに「広島被爆証言~命をつなぐために 今、子どもたちに伝えたいこと~」と題した人権教育講演会が行われることを知った伊勢志摩経済新聞編集部が、「伊勢志摩に住む人たちにも被爆の実相を知ってもらえれば」と企画した。今年3月末時点で広島県内の被爆者数4万8310人、全国の被爆者数9万9130人、平均年齢86.13歳と高齢化している。
伊藤佳行編集長は「広島平和記念資料館(原爆資料館)に登録する被爆体験証言者も高齢化し、小倉さんによると50人ほどいた被爆体験証言者は現在30人を切っていると聞き、戦後80年という時間経過の現実を知ることになった。広島・長崎への原爆投下、戦後80年という節目の年に、小倉さんから直接、話を聞き、戦争について、平和について、考え行動するきっかけになれば」と話す。
開催時間は19時~21時(18時30分開場)。参加無料。