伊勢神宮外宮・勾玉(まがたま)池のほとりにひっそりたたずむ神社「茜社(あこねやしろ)」(伊勢市豊川町274、TEL 0596-28-5510)「豊川茜稲荷神社」、今年の干支にあたる「牛」を祭る「茜牛天神」がある。
伊勢市民からは「あこねさん」と親しみを持って呼ばれている「茜社」は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祭り、穀物・食物の神。伊勢市豊川町、藤里町、旭町地区の氏神として986年以前から鎮座する。また同じ境内に、豊川茜稲荷神社と茜牛天神を祭る。
同神社は、近年、全国から祈祷師やそのグループが参拝に訪れる。人気女性作家の佐藤愛子さんの著書「私の遺言」(新潮社、2002年10月)、「冥途のお客」(光文社、2004年9月)でも紹介される穴場スポット。
「牛天神」は、元伊勢神宮下馬所にあった外宮師職「山田大路(ようだおうじ)」家に代々伝わる鎮守神であったもので、1843(天保14)年に作られた。「牛」は学業成就の神・菅原道真公の御霊を入魂したもので、毎年受験生らの参拝も多いという。
同神社禰宜・鈴木瑞穂さんは「境内には樹齢100年以上の種の違うクスノキとスギの大木が同じ大きさで、共生しながら生えている。それらを見ると、きっと何かを感じてもらえるはず。今年は丑年なので『牛天神』への参拝客が増えてくれれば」と説明する。