100年以上続いた伊勢志摩のタバコ農家の畑がキャベツ畑に-たばこ消費減で

冬キャベツの収穫に大わらわの澤田さん夫婦。のどの渇いたときキャベツの芯の部分を食べると甘くて最高においしいという。

冬キャベツの収穫に大わらわの澤田さん夫婦。のどの渇いたときキャベツの芯の部分を食べると甘くて最高においしいという。

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 度会郡玉城町で100年以上続いたタバコ農家の畑が、6年前からキャベツ畑に変身した。5代目になるという澤田勝司さんと妻の里美さんは、今が旬の冬キャベツの収穫で大わらわ。

キャベツの外の葉を堆肥にして土を作る。手前の畑は収穫後の外の葉だけのキャベツ。

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 約2ヘクタール(2町)の畑で、JT(旧日本専売公社)の契約農家として100年以上葉タバコの栽培に取り組んだ。しかしながら健康志向がブームになり喫煙者の減少、さらに増税で国内のたばこ愛飲者は激減。1990年には約2,709億本のたばこ販売量が、2008年には1,599億本まで減った(日本たばこ協会調べ)。

 現在は、しぶき、輝風(てるかぜ)、松波(まつなみ)、せいりん、冬藍(とうらん)、冬のぼりの6種類のキャベツを栽培。10月末から3月まで収穫できるように品種を分け、生産調整しながら収穫する。一般的に「寒玉キャベツ」「冬キャベツ」と呼ばれ、巻が強く甘味があり柔らかいのが特徴。特に寒くなり霜に当たると一段と甘味を増すという。

 澤田さんは葉タバコからキャベツの生産に変えた決意を「これまでは、主にマイルドセブンの材料となるコウカーという葉タバコを栽培していた。景気に左右されずに安定した生活をしていたが、たばこの販売量の減少を心配して6年前に見切ってキャベツの生産に切り替えた」と打ち明ける。「年々甘くおいしいキャベツができるようになると、喜びも増してくる」と話す。

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