伊勢音頭の一節「お伊勢参らば朝熊(あさま)をかけよ、朝熊かけねば片参り」と詠まれた標高555メートルの朝熊岳の頂上から1月8日・9日の早朝、鳥羽市在住の岡村廣治さんが直線距離で約200キロの位置にある富士山をカメラに収めた。
「新春伊勢志摩・南紀クルーズ」で鳥羽港に停泊中の「ぱしふぃっくびいなす」と富士山
朝熊岳には、伊勢神宮の奥の院として、伊勢神宮の鬼門(北東=丑寅)を守る寺として金剛證寺(こんごうしょうじ)が山頂に建つ。「『朝熊(あさま)』はアイヌ語で『日が出てキラキラと光り輝く神』『太陽』を意味する」と同寺執事長の出口眞人さん。
10日の朝、富士山をカメラに収めようと伊勢志摩経済新聞編集スタッフが山頂に着くとカメラ仲間の北川正義さんと岡村さんがカメラを構えて朝日が出るのを待っていた。
岡村さんたちは、朝日(初日の出)と富士山をカメラに収めようと2010年の元旦から毎朝、有料観光道路の伊勢志摩スカイラインを通い続けていた。「昨年は1月3日に撮影した富士山が『初富士』として毎日新聞に掲載された。今年の『初富士』は8日の朝。カメラに収めるには少し鮮明ではなかったが、9日の富士山は最高にきれいだった」と説明する。残念ながら10日の朝には富士山は観測できなかった。
岡村さんは、これまでにも鳥羽市の観光PRに役立つようにと多くの写真を提供する。「伊勢志摩の美しい風景を多くの人に見てもらい、行ってみたいと思ってもらえれば」とボランティア精神旺盛。12回目になる写真展「我がふるさと徒然なるままに…Part3」(2月9日~28日)を鳥羽ショッピングプラザ「ハロー」(鳥羽市大明西町)で開催する。