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伊勢志摩地方に残る絶滅危惧・希少植物を知ってもらおうと、伊勢で写真展

未(ひつじ)の刻に咲くといわれる「ヒツジグサ」を指す店員。ヒツジグサはスイレンの原種といわれ日本固有種。

未(ひつじ)の刻に咲くといわれる「ヒツジグサ」を指す店員。ヒツジグサはスイレンの原種といわれ日本固有種。

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 約2カ月前、「最近小さなものばかり探して、写真を撮っている(笑)」と話していた二見町在住の北井誠也さん。その理由が、銀座新道商店街の飲食店「旅もよう」(伊勢市大世古、TEL 0596-20-7878)で開催中の写真展で明らかになった。9月26日まで。

夏至の日の早朝に雲と地平線のすき間から奇跡的に現れた富士山。その肩に朝日を撮影。

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 伊勢志摩経済新聞の撮影スタッフも務める北井さんはこれまでも、伊勢志摩地方での生息情報はほとんど皆無だったモリアオガエルの産卵シーンや卵塊(らんかい)の撮影に雨の降る深夜に成功したり、梅雨で不安定な天気が続く夏至の日に「朝熊岳(あさまだけ)」(伊勢市)の山頂から富士山の肩に重なる朝日を撮影したり、一般の人がなかなか撮影できない「被写体」を狙うカメラマン。

 「たまたま山に入ると、珍しい植物を見つけてしまう(笑)。写真を撮って後で調べてみるとレッドデータブックに載る絶滅危惧種の植物だったりする。こんなところに?と思うような場所にも希少植物が普通に生えている。絶滅危惧種だと知らなければ雑草として踏んでしまうものもある」と複雑な表情で説明する。

 写真展は、環境省のレッドリスト準絶滅危惧種に指定される「ガガブタ」や各県でレッドデータブックに載る絶滅危惧種の「ヒメコオホネ」や「ヒツジグサ」「ミクリ」など珍しい植物の花の写真35点を展示する。

 「知るということはとても大事で、(あるものに対して)深く知るたびに『有難さ』を覚える。写真の花は実際には2~5センチの小さなものだったりする。写真を見ていただくことで、伊勢志摩地方に残る普通だけどとてもすごい自然を、もっと知るきっかけになれば」(北井さん)とも。

 同店の営業時間は7時30分~20時。

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