グーグルマップの、伊勢神宮内宮(ないくう)別宮「月読宮」(伊勢市中村町)と内宮摂社「大土御祖神社(おおつちみおやじんじゃ)」(楠部町)の中間に位置する場所に現在、謎の赤い光が写り込んでいる。
6月24日は、米国の「UFOライブラリー」が1947年に米国内で初めてUFOが目撃された日として「UFO記念日」と制定している。
伊勢志摩経済新聞流に解釈するならば、グーグルマップに映り込んだ謎の光は、UFOならぬ日本書紀の中にでてくる「神鏡」の光と思いたい。
謎の光が映り込んでいる月読宮と大土御祖神社の間には、地元の人から「皇女の森」と呼ばれている「宇治乃奴鬼神社(うじのぬきじんじゃ)跡」がある。社殿はなく、水田の真ん中にクスノキの大木が根を下ろす小さな森となっている。宇治乃奴鬼神社(内宮末社)は現在、大土御祖神社内に祭られている。
宇治乃奴鬼神社は、雄略天皇の皇女で「稚足姫皇女(わかたらしひめのひめみこ)」(別名=「栲幡皇女(たくはたのひめみこ)」)との関係が深い。
日本書紀によると、稚足姫皇女は、伊勢神宮を祭っていた独身の女性「斎王(さいおう)」。ある時、嫌なうわさを流され、祭っていた神鏡を五十鈴川のそばの土の中に埋め、その後自害してしまったという。皇女がいなくなり神鏡が無くなったため深夜に捜索したところ、五十鈴川のほとりで虹色に光るヘビを見つけ、その近くを探すと神鏡と死んだ皇女を発見したという。その場所が今の宇治乃奴鬼神社跡といわれている。
斎王について研究している「斎宮歴史博物館」(多気郡明和町)学芸員の榎村寛之さんは「日本書紀には神鏡を土の中に埋めたとあるが、その事実はわからない。稚足姫皇女についても架空の人物かもしれない。『皇女の森』という名前も江戸時代の文献には出てこない。あくまでもファンタジーということであえてコメントするなら、皇女が埋めた神鏡の力が、偶然写り込んで光になったのかも…(笑)」と話す。