表彰式に臨んだ学生(左・中央)と日本政策金融公庫伊勢支店の加藤卓支店長(右)
鳥羽商船高等専門学校(三重県鳥羽市、校長:古山雄一、以下「鳥羽商船高専」)は、令和6年12月17日(火)、第12回高校生ビジネスプラン・ベスト100に選出された学生の表彰式を行いました。
高校生ビジネスプラン・グランプリとは
高校生ビジネスプラン・グランプリは日本政策金融公庫が主催するコンテストで、将来を担う若者の創業マインド向上を目的として開催されており、高校生・高専生1~3年生を対象としています。今回、5,151件という過去最多の応募があった中、高い評価を得たビジネスプランとして鳥羽商船高専学生チーム「Comeナビ」のビジネスプラン「その地の魅力に接近!ワンアクションでクルーズ船対応」が第12回高校生ビジネスプラン・ベスト100(以下、ベスト100)に選出されました。
地元・鳥羽市の活性化につながる鳥羽商船高専生のビジネスプラン
ベスト100に選出されたのは、情報機械システム工学科3年生の山下温斗さん、北仲悠人さん、塚本真己也さんの3人で構成されるチームが開発したアプリシステムを使ったビジネスプラン。鳥羽市に多く来航する大型客船の顧客に飲食店や観光施設をアプリで紹介・案内するという事業計画で、近年増加するインバウンド向けに多言語対応、観光客が手軽に好みの場所を観光できるよう直感的な操作性を追求したアプリを運用するというものです。アプリ導入により、観光客は自分自身で各々希望の場所を見つけて行くことができるようになるだけでなく、これまで行政職員が対応していた観光客対応をアプリに置き換えることができるため観光客対応における受入側の人員不足を解消することも可能になります。このアプリを活用することで多くの観光客を受け入れることができるようになることから、鳥羽市の活性化に大きく貢献できるのではないかと考えています。
日本政策金融公庫伊勢支店の加藤卓支店長(右)から賞状と記念メダルを授与された学生
表彰式に臨んだ山下さんと塚本さんには、日本政策金融公庫伊勢支店の加藤卓 支店長から「若い人の力で伊勢志摩地域の活性化につなげてほしい」とビジネスプランへの期待が述べられたあと、表彰状、記念メダルと副賞が手渡されました。
山下さんは「ベスト100に選ばれたことは嬉しかった。このアプリを運用するにはまだ多くの課題があるが、ぜひ実用化させたい」、塚本さんは「このアプリを鳥羽市で実現させ、さらに全国にも広げていきたい」と話しました。学生らの指導教員を務めている江崎修央教授は「今回評価されたプランを実現させるだけでなく、この開発システムをもとにビジネスとして起業することも目指してほしい」と話し、期待を寄せました。
ビジネスマインドの育成を目的とした学習を日常的に実施
ビジネスプランの組み立て方について講義する日本政策金融公庫の徳山真樹さん(右)と受講する学生ら(令和6年6月実施)
鳥羽商船高専では、学生のビジネスマインドを早期から育成する目的で、ビジネスプランの考案や実行、ビジネスコンテストへの出場などを積極的に推進しています。この一環として、日本政策金融公庫の徳山真樹さんを講師として招いた講義を令和6年6月に本校で実施し、学生はビジネスの組み立て方について学びながら、各々のビジネスプランをブラッシュアップさせてきました。
今回、表彰式に参列した徳山さんは「今回、ベスト100に選ばれた主な理由は、どんなアプリシステムが出来上がるのか完成形が具体的に表現されていたこと、費用面について現実的な項目・数値を考えていたことだった。ビジネスとして成り立たせるため、非常によく考えていることが伝わるプランで、ビジネスプランを実現することで地域課題を解決することもできるという提案内容も評価の高い点だった」と述べ、学生らの成果を喜んでいました。
今後も、鳥羽商船高専ではこのようなビジネスマインド育成に力を入れた教育を引き続き実施し、学生の活動を積極的にフォローしていきたいと考えています。
鳥羽商船高等専門学校について
鳥羽商船高等専門学校は明治8年(1875年)に芝新銭座二番地に航海測量習練所として創基し、その分校として明治14年(1881年)8月20日に三重県鳥羽町に鳥羽商船黌として創立されました。日本にある5商船高専のうち最も歴史の古い商船系高等専門学校です。船員を養成する商船学科とエンジニアを養成する情報機械システム工学科の2学科で構成され、科学的思考と高度な知識・技術を習得し、地域社会から世界まで幅広く活躍できる技術者を育成しています。
鳥羽商船高等専門学校の外観(左)と令和7年3月竣工予定の練習船「鳥羽丸」四代目(右)
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校
所在地:三重県鳥羽市池上町1番1号
校長:古山 雄一
設立:1881年
学校ウェブサイト:https://www.toba-cmt.ac.jp/
事業内容:高等専門学校、高等教育機関