元日の朝、伊勢神宮の鬼門を守る金剛證寺(伊勢市朝熊町)の建つ朝熊岳の山頂から7時ちょうど、水平線に浮かぶ雲の上から待望の初日の出が観測できた。その40分後、伊勢神宮内宮の宇治橋前でも鳥居の真ん中から朝日が現れた。
全国的に悪天候で雪の影響により交通渋滞が巻き起こった元日、伊勢志摩地方は快晴で、おおむねどこからでも初日の出は観測できたが、直線距離で約200キロの位置にある富士山は見ることができなかった。
毎年、伊勢志摩スカイライン朝熊岳展望台やパールロード箱田山展望台(鳥羽市国崎町大岳)、横山展望台(志摩市阿児町鵜方)、安乗崎灯台(安乗)には伊勢志摩からの「初富士」を撮影しようと多くのアマチュアカメラマンが早朝からカメラを据える。
今年の伊勢志摩からの「初富士」は2日。富士山の撮影に成功したのは越賀中学校教諭の向井正明さん。「夜明け前の東の空に薄っすらと富士山のシルエットが浮かんだ。この日は昼間にも雪を被った白い富士山が見えた」と横山展望台から撮影した富士山の写真を提供してくれた。
昨年の伊勢志摩からの初富士は8日だったが、今年は2日から5日まで連続で見ることができた。
三が日の伊勢志摩への入り込み客は雪の影響からか、前年度よりも下回っている。伊勢神宮では外宮・内宮合わせて53万4,363人、鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)は1万1,337人、志摩スペイン村(志摩市磯部町)は約3万2,000人(大みそかから3日まで)。