約2000個のミカンがオレンジ色に光る「みかんツリー」が12月8日、温州ミカンの生産地・南伊勢町の「南伊勢町ふれあいセンターなんとう」(村山)と「五ヶ所浦児童公園」(五ヶ所浦)の2カ所に設置され、同日点灯式が行われた。
主になって活動するのは、三重県立南伊勢高等学校南勢校舎(旧南勢高等学校)の生徒が立ち上げた日本初となる地域おこしサークル「南伊勢町を元気にする高校生サークル」と、同校卒業生で組織する「南伊勢町をより元気にする会」。
過疎化し若者が減少し、年々町に元気が無くなっていくのを憂い「まちに光を灯そう」と、同サークルと同会が「みかんツリー」プロジェクトを立ち上げた。同町の保育園5園や小中学校9校の子どもたち、そのほかの町民らに呼びかけ、総勢700人以上が参加して「みかんツリー」を完成させた。
2000個のミカンのオーナメント作りは、まずミカンの皮を十文字にナイフで切り、中身を食べる。その後皮を接着剤でくっ付け元のミカンの形に戻し、乾燥剤の中に入れ乾燥させる。乾燥させたミカンの皮の1個1個の穴をテープでふさぎ、LED電球挿入用の小さな穴をテープに開け仕上げた。多くの町民の力を借り、約1カ月間で約2000個のオーナメントを完成させた。この日の早朝、同町産間伐材を利用してできた高さ1.5メートル、横5メートルの大きさのツリーにミカンのオーナメントを飾り付け「みかんツリー」が出来上がった。2000個のミカンは地元のJAやミカン農家から無償で提供を受けた。
点灯式には、「みかんツリー」を考案した愛媛県のまちづくりNPO「イケメン連」のメンバーや愛媛県の「愛媛みかん王子」も祝福に駆け付け、同高で音楽を担当した元教諭の巽耕一さんのピアノコンサートもあった。「みかんツリー」のイルミネーションに電気が流れると、うっすらとオレンジ色の光を放つミカンのやさしい光で会場が包まれた。
「みかんツリー」は「南伊勢町ふれあいセンターなんとう」には3500個のLED電球に500個のミカンが17時30分~21時まで、「五ヶ所浦児童公園」が6500個のLED電球に1500個のミカンが同~24時まで、毎日点灯する。期間は2月末まで。
2006年産作況調査によると、南伊勢町のみかんの年間収穫量は約3500トン(果樹面積=約199ヘクタール)で、御浜町の9120トン(576ヘクタール)に次いで県内2位を誇る。3位は熊野市2840トン(178ヘクタール)。