伊勢地方で食べられる、腰がなく、つゆがなく、柔らか極太の麺に真っ黒のたまりじょうゆのタレと刻みネギを掛けて食べる「伊勢うどん」を日本全国に浸透させようと昨年7月に発足した「伊勢うどん友の会」の活動が活発化している。
東京・お台場のライブハウス「ZEPP TOKYO」(東京都江東区)2階の飲食店「東京カルチャーカルチャー」で5月24日、「伊勢うどん祭」が開かれた。当日は観客約80人が伊勢うどんについてのうんちくに耳を傾け、試食を行った。ビデオメッセージで登場した鈴木健一伊勢市長は、伊勢うどんについての熱いメッセージを語った。
前日の23日には、伊勢市や伊勢市観光協会が開いた日本外国特派員協会(外国人記者クラブ)の「Ise Night」にも参加。伊勢うどんについての英語版チラシを配り外国人記者にアピール。試食コーナーも手伝った。
4月には「東京伊勢うどんマップ(暫定版)」を作成し、東京で伊勢うどんが食べられる飲食店をピックアップしたマップをネット上に公開。2月20日と4月24日には「伊勢うどんナイト」を日比谷と丸の内で開催するなど、伊勢うどんファンを増やす地道な活動を展開する。
仕掛け人は「伊勢うどん友の会」会長で松阪市出身東京在住のコラムニスト・石原壮一郎さん。石原さんが昨年7月にフェイスブック上に「伊勢うどん友の会」を立ち上げ、伊勢うどんに関するあらゆる情報をアップすると、同ページへの「いいね」の数は1000人を超え、5月28日現在では1476人に膨れ上がった。
石原さんは「まさかこんな展開になるとは思っていなかった。東京で誤解にまみれている伊勢うどんがふびんで、あの手この手で勝手に応援しているうちに、伊勢や三重県の皆さんの温かい応援を頂いて、ここまで来てしまった。本当に感無量。伊勢うどんの底力をあらためて感じている」と漏らす。
「7月には伊勢うどんに関する単行本の出版も決まった。これからもさらに太く、それでいてふんわりと、伊勢うどんを応援していく。伊勢うどんが全国、いや世界を制覇するその日まで」と意欲を見せる。