近鉄賢島駅の目の前にある1926(昭和元)年創業の真珠専門店「イワジン真珠」(志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-1018)の喫茶部門「イワジン喫茶室」(同)で、「今」しか食べることができない志摩市特産の真珠貝の貝柱と生のアオサノリを入れたスパゲティが人気を集めている。
賢島・イワジン喫茶室の「アコヤ貝の貝柱とアオサのクリームスパゲティ」
同店は、賢島エスパーニャクルーズや英虞湾めぐり観光船などの乗り場がある賢島港商店街の一角にあり、日本庭園がある喫茶室。同店の岩城悟さんは24歳から30歳までをモナコ公国で過ごし、F1モナコGP出場のレーサーらが立ち寄るレストランで修業経験を積む。帰国後すぐに同店のシェフ兼店長になる。
真珠貝の貝柱は、アコヤ貝から真珠を取り出す作業が行われる冬のシーズンだけ流通する食材で真珠を取り出した後に残った勾玉(まがたま)の形をした貝柱。もともと真珠養殖の副産物だったが今ではなかなか手に入らないこともあり高級食材の一つになってしまった。
生のアオサノリは、通常乾燥させたものが市場に流通するが海から上げて水洗いしただけの「生」は、アオサノリの生産のピークを迎える冬のシーズンに、ごくわずかだけ地元で流通する。志摩市はアオサノリの生産で日本一を誇る。
人気のメニューは、その「今だけ」しか地元で食べることができない2種類の冬の食材をメーンに、春の訪れを誘う菜の花やシメジなどを入れたクリームスパゲティ。岩城さんは「大粒の貝柱を15個ほど使っているので原価はかなりかかっているが、真珠養殖発祥の地ならではの初春のメニューとして提供する。地元客にもリピーターが多く、観光客にも人気が高い」と話す。
価格は、サラダとドリンク(コーヒー、紅茶、コーラ、ジンジャーエール、オレンジジュースなど)のセットで1,200円。岩城さんは「2月いっぱいまで提供できるかどうかかわからないが、今が一番おいしくお勧めなので、賢島まで足を運んでいただければ」と来店を呼び掛ける。
営業時間は10時~17時。水曜定休。