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「参宮あわび」の伊勢せきや、志摩・鳥羽両市にアワビの稚貝6万個を寄付

「参宮あわび」の伊勢せきや、志摩・鳥羽両市にアワビの稚貝6万個を寄付
(写真は右が関谷充司社長、左が大口秀和志摩市長)

「参宮あわび」の伊勢せきや、志摩・鳥羽両市にアワビの稚貝6万個を寄付 (写真は右が関谷充司社長、左が大口秀和志摩市長)

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 アワビ1個を丸々煮た「参宮あわび」を主力商品とする「伊勢せきや」の名で知られる関谷食品(伊勢市上地町)が9月25日・26日、それぞれ志摩市と鳥羽市にアワビの稚貝4万個と2万個分に相当する金額の寄付を行った。

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 1957(昭和32)年9月26日創業の同社は、「参宮あわび」(7,020円~)やアワビ1個を焼いた「鮑(アワビ)ステーキ」(7,500円~)のほかアカニシガイを煮た「つぼやき」(1,080円)などを製造・販売する。三越日本橋本店(東京都中央区)や松屋銀座(東京都中央区)、高島屋大阪店(大阪市中央区)、阪神百貨店(大阪市北区)など有名百貨店などへも積極的に店舗展開する。同社の看板商品「参宮あわび」は同社の売り上げの約6割を占める。

 同社の関谷充司社長が25日に志摩市役所を、26日に鳥羽市役所を訪れ、200万円(アワビの稚貝4万個相当)と100万円(同2万個相当)の目録を、それぞれ大口秀和志摩市長、木田久主一鳥羽市長に手渡した。

 関谷社長は「昭和40年代には年間約700トンだったアワビの漁獲量は現在では40トン台にまで減少。最盛期の実に6%にまで落ち込んでいる。かつては志摩産のアワビだけで賄えた『参宮あわび』だが、今はそれでは成り立たず県外・海外産のアワビを使わざるを得なくなってしまった。これまで使わせていただいていたアワビ、貴重な海の恵みに感謝すると共にほんの一部でも海にお返しすることができればと思い、アワビの稚貝6万個を寄付させていただこうと思った」と経緯を話す。

 「2012年に鳥羽市菅島の『しろんご祭り』を見学、翌年各地の漁協などでいろいろな話をうかがう中で、海の環境の変化、海女の高齢化、そして漁村の高齢過疎化が深刻な問題にさらされていることを肌で感じた。少しでもお役に立てるならと思い寄付を決めた」とも。

 稚貝の放流は12月以降を予定。

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