志摩市志摩町和具の海岸近くに1月5日、海女小屋体験施設「火場(ひば)広の浜」(TEL 0599-77-7327)がオープンした。
同施設を運営する「志摩なぎさ企画」代表の竹内壽治さんは「視界180度には障害物が無く、沖合には伊勢エビやアワビが豊富に育つ漁場を形成する無人島の大島・小島が浮かび、西から東に流れる黒潮を大小の船が行き交う。今の時期、朝には砂浜まで伸びる松の枝と砂浜にきらめく波と水平線から出るだるま朝日、夕方には世界遺産・熊野古道を作る山々に静かに沈んでいく夕日がとても美しい。地元の人でも最高の景色」と同地を形容する。
約800坪の土地に約100平方メートルの海女小屋風の建物は、伊勢志摩国立公園内の第3種特別地域に入るため、海岸から約21メートルセンターバックして建てた。
「火場焼きコース」(90分)は、サザエ2個、ヒオウギガイ2個、干物2種、アオリイカ1枚、手こねすし、煮物小鉢、アオサ汁などがセットになり海女着姿のスタッフが対応する(3人以上からの申し込みで2日前までの予約、1人=3,500円~)。伊勢エビ、アワビ、サンマの押しずしなどの追加メニューにも対応する。
竹内さんは「一昨年の12月の忘年会の席で『なんかせなあかん(何かしないとこの地域が衰退していく)』と話が盛り上がり、あれよあれよと具体化していった。メンバー10人の平均年齢は72歳。当初は昨年の6月にオープンする予定だったが紆余(うよ)曲折あり今になった。多くの人がここに来て未来を語り合う場になれば」と話す。
「21メートル後ろに下がったおかげで最高のロケーションになり、十分なスペースが確保できた。とにかくロケーションが素晴らしく1日ここで海を眺めているだけでも飽きない。部屋の貸し出し(2時間=5,000円)やバーベキューセットの貸し出し(1セット=1,500円)などにも対応する。まずは気軽に足を運んでほしい」と呼び掛ける。
営業時間は10時~15時。