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伊勢で「水と光と音のまつり」 水は情報を伝える「鏡」

伊勢で「水と光と音のまつり」 水は情報を伝える「鏡」(撮影=岩咲滋雨)

伊勢で「水と光と音のまつり」 水は情報を伝える「鏡」(撮影=岩咲滋雨)

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 水についての講演会「水と光と音のまつり in 伊勢」が8月11日・12日、伊勢市内の2会場で開催された。

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 水と光の研究者の神戸大学のツェンコヴァ・ルミアナ教授と2011(平成23)年から共同研究を行い、2020年に水と光の研究開発施設「ゆの里アクアフォトミクスラボ」創設する「天然温泉 ゆの里」(以上、和歌山県橋本市)代表の重岡昌吾さんによる水の最先端科学の研究成果を交えた講演が11日、「いせ市民活動センター北館いせシティプラザ」(伊勢市岩渕)で行われた。

 翌12日は「伊勢市生涯学習センター いせトピア」(黒瀬町)で、重岡さんと哲理学作家で音楽家のさとうみつろうさんによる対談が行われた。伊勢市立五十鈴中学校合唱部の卒業生「Sorciere(ソルシエール)」と生徒「Sorciere Jr.(ソルシエールジュニア)」による合唱演奏、純正律で調律したピアノをさとうさんが弾き、合唱部のメンバーと共にさとうさんオリジナル曲「喜びの花」を演奏した。1日目108人、2日目334人(うちオンライン48人)の計442人が参加した。

 重岡さんは「水と光の関係性の全てを扱う科学分野がアクアフォトミクス。波長が800~2500ナノメートルの近赤外光を水に当てることで水の状態(どのような物質が溶け込んでいるかなど)を推測できることが分かった。ツェンコヴァ教授はこの研究から乳牛の乳房炎の診断を可能にした」と説明する。「今の科学では、物質の研究において、正確なデータが水という物質によって変化してしまうので、水は邪魔者扱いされ、物質の周りにある水を乾燥させたり、純水を使用したりして水の影響を受けないようにして水以外の物質を研究してきたが、水そのものがとても重要であることが研究で分かってきた。DNAもタンパク質にも水の分子が含まれている。水と光のやり取りを見ると今の科学が縦糸だとすると水の研究によって横糸を通すことができ、全ての物質の関係性を解明できることになるかもしれない」と研究結果を示しながら話す。

 重岡さんとさとうさんとの対談では、重岡さんが水の分子構造を、手足を使いながら体全体で表現すると、今度はさとうさんと共に、水にねじれがあることを2人で手を合わせながらぐるぐると回転して表現した。さとうさんは「水は水自体でねじれようとする性質を持っているのでそのねじれが渦を作る。体の中でも水はらせん回転している。左回転すると離散化し右回転すると構造化する」と説明する。

 五十鈴中学校の合唱団による合唱では伊勢の木遣り歌をアレンジしたオリジナル曲「清き流れの五十鈴の川を~無伴奏女声合唱による伊勢の木遣り唄~」を含む全8曲を披露。最後に「喜びの花」をさとうさんと合唱団、会場全員と共に合唱した。

 重岡さんは「水のことを知ることは全てにつながることになる。水は情報を伝える『鏡』。相手が明るくなれば自分も明るくなる。自分が明るくなれば相手も明るくなる。自分の在り方が水を通して全てつながっているので、自分に還って影響を与えることにもなる。人間の営みも全てが水に影響を与えているので、水を守ることは地球環境を守ることにもなる」とも。

 伊勢人力車「光勢屋」創業者で実行委員会委員長の前田光明さんは「今の時代だからこそ分断ではなく、つながっていくことが大切。水について科学的なデータを知ることで、水の大切さを理解してもらえたと思う。我々親の代はひどいことをやってきた。負の遺産をなくし、持続可能な社会に戻して次世代に渡したい」と話す。「五十鈴中学校の卒業生と生徒の合唱も多くの人に聞いてもらえて良かった」とも。

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