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志摩で「賢島映画祭」 グランプリは青梅が舞台の「せせらぎシアター」

志摩で「賢島映画祭」 グランプリは青梅が舞台の「せせらぎシアター」

志摩で「賢島映画祭」 グランプリは青梅が舞台の「せせらぎシアター」

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 地域主役型映画を集めた映画祭「賢島映画祭」が9月8日、「賢島宝生苑(ほうじょうえん)」(志摩市阿児町)で開催され、西東京・青梅市の木野下地区を舞台にした作品「せせらぎシアター」がグランプリに選ばれた。

【その他の画像】第10回賢島映画祭の様子

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 地域の風景や歴史、文化、風土、人物など「地域の匂い」を物語にした「地域主役型映画」を一堂に集めた同映画祭。主催は「志摩ムービークルーズ」(志摩市大王町)。船越中学校(同)の閉校を題材にした映画「校歌の卒業式」(2013年)の製作に関わり、映画を通して地域の人たちの心が一つになり、町が元気になっていく様子を体感したことをきっかけに、「地域を巻き込んだ地域主役型映画が、地域を、日本を元気にする。地域に光を当てた映画を紹介し、応援しよう」と2015(平成27)年から同映画祭を開催する。

 「主役クラスのキャストが最低1人、その地域の人であること」「本編が30分以上であること」などの応募条件を設け、映画としての技術的な完成度よりも、撮影した地域・人々をどれだけ魅力的に映しているか、どれだけ地域を巻き込んでいるかなどの点を踏まえて審査する。

 当日は、応募のあった作品の中から事前審査を経て選ばれた6作品を上映。ノミネート作品は、青梅市木野下地区を舞台に人生の後悔がテーマの「せせらぎシアター」(山村もみ夫。監督)、浜松市を舞台にHBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)をテーマにした「幸せな人生を」(筧七監督)、市原市を舞台に震災で傷ついた少年の物語「僕のなかのブラウニー」(相馬雄太監督)、上田市を舞台に2人の女性が強く生きる姿を描く「笑えない世界でも」(岡本充史監督)、長野市長沼を舞台に2019年台風19号で千曲川決壊での消防団の活躍を実話に基づき描いた「決断 火の見櫓(やぐら)に登った男たち」(平岡亜紀監督)、高松市香川町に伝わる「農村歌舞伎祇園座」の世界を舞台にしたコメディー映画「スクエアダンス」(The Takeuchis監督)。

 受賞作品は、グランプリ=「せせらぎシアター」、準グランプリ=「笑えない世界でも」、伊勢志摩フィルムコミッション賞=「スクエアダンス」、特別賞=「決断 火の見櫓に登った男たち」。各賞は、主演女優賞=彩香さん(笑えない世界でも)、主演男優賞=橋龍さんさん(せせらぎシアター)、助演女優賞=海沼未羽さん(幸せな人生を)、助演男優賞=アキラ100%さん(僕のなかのブラウニー)。

 昨年公開、伊勢志摩を舞台に撮影した映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」の監督を務め同祭の審査委員長を務める田中光敏さんは「素晴らしい作品の数々で、視点を変えるとグランプリになるような作品ばかりで、皆さんの力や思いが詰まった作品だった。これからも映画作りをしてもらい、日本映画界にもっともっと楽しい作品が出てくるようにと思った」と評価した。

 主演男優賞を受賞した橋龍さんは「実は北海道国際映画祭に監督が出席していて、監督からグランプリを取ったと連絡もらっていた。こちらで何も賞を取れなかったらどうしようと心配だったが、グランプリのほかに自分にも賞をもらえるとは…。映画が完成した時に一番木野下の人たちが喜んでくれたので、また頑張って映画作りを続けていこうと思った。作品で出てくるかかしやせせらぎシアターは木野下地区の人たちが田園風景を残そうと地域を盛り上げようと活動しているもので、それらを取り入れてできた映画だったので、受賞は木野下の人たちが一番喜んでくれると思う」と喜んだ。

 主演女優賞受賞の彩香さんは「受賞は初めてで驚いた。撮影中、上田の人たちが本当によくしてくれてうれしかった。食べ物がおいしかった。賢島映画祭で主演女優賞をもらったことを誇りに、これからも女優として映画作りに励んでいきたい」と決意を新たにする。

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