
松阪市の指定天然記念物にもなっている「春谷寺(しゅんこくじ)」(松阪市飯南町向粥見)の樹齢400年以上のエドヒガンザクラの花が開花し、満開を迎えようとしている。
春谷寺は、三重県の真ん中、中央構造線沿いに、高見山から伊勢湾・西から東に流れる櫛田川の中流域の波留(はる)地区にある曹洞(そうとう)宗の寺院。妙泉寺(飯南町粥見)の浦野英雄さんが住職を兼務する。
樹高・枝張り共に約10メートル、幹周囲約4メートル。春谷寺の創建は1656年と推定。波留地区では縄文時代の波留遺跡が見つかり、石器や土器が多数出土。古くから人が住んでいたとされる。
エドヒガンザクラは過去に落雷に遭ったこともあり、幹に空洞ができ、エドヒガンザクラを守ろうと波留地区の住民らが樹木医に診てもらうなどして保護活動を続けている。春谷寺周辺には約50本エドヒガンザクラを植樹し、現在、波留地区の「春の谷」はピンク色に染まっている。
浦野さんは「波留の皆さんの懸命な努力の結果、今年も花を咲かせてくれた。今年はドローンでエドヒガンザクラを空から撮影してみようと考えている。そのためにドローンパイロットの免許も取得した。今週末には見頃になるのでは」と話す。