三重県商工会連合会の藤田正美会長と竹内千尋志摩市長が6月6日、「有限責任事業組合(LLP)と地域特産品について」の懇談会を志摩市役所で開いた。
懇談会は、地域経済の振興にLLPが有効な手段であることを竹内市長にPRする形で和やかに行われた。来月、伊勢志摩の特産品を全国に販売する組織としてLLP設立を目指す「(仮)志摩特産品有限責任事業組合」メンバー山本起大さんも同席した。
2005年4月27日に「有限責任事業組合契約に関する法律」(LLP法)が成立、同年8月1日より施行。LLPは、創業や企業同士のジョイント・ベンチャーを促進し、新産業の創出に貢献する制度で、経済産業省が後押しする。出資者が出資額までしか責任を負わない「有限責任制」、利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されない、取締役会や監査役のような経営者に対する監視機関の設置が強制されない「内部自治原則」、LLPに課税されずに、出資者に直接課税される「構成員課税」の3つの特徴を持ち、設立までに要する日数が約10日間と短く、費用(登録免許税6万円)も安く済む。一方、新制度であるため社会的な認知度が低く、また法人格を持たないためLLP1事業体としてはまだまだ銀行融資が受けにくいなど社会的なバックアップが必要な面も残る。
藤田会長は「LLPは零細中小企業が地域の資源を活力にできる『装置』として大いに期待している。LLPを活用すると総合力で『地域を経営する』という発想で勝負できる。三重県商工会連合会でも融資制度など社会的な環境作りについてもバックアップをしていく」と話す。
山本さんは「1個人や1企業で営業に行くと、『まるごと志摩を持って来い』と言われ、営業でも苦戦していたが、LLPという事業体で活動すれば総合力で対等に話すことも可能となるため期待している。今回設立するLLPでは志摩の特産品を切り口に事業展開する予定。特産品の販売に限らず地域全体を広くアピールできれば」と期待を寄せる。
竹内市長は「志摩の特産品が揃うLLPであれば行政としても後押ししやすい。東国原宮崎県知事に負けないように志摩の特産品をPRしたい」と話す。
来月設立予定の同LLPは、手こね寿司、ヒジキ、カマボコ、干物、海ぶどう、地酒、貝細工、豆腐、薫製などを販売する事業者で構成される。
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