「海づくりプロジェクト」-伊勢の老舗食品加工会社2社が取り組み

創業100年を超える伊勢の老舗食品加工会社2社が「海づくりプロジェクト」として「アマモ場と干潟の生きもの観察会」への協力とタイとヒラメの稚魚放流。写真はヒラメの稚魚。

創業100年を超える伊勢の老舗食品加工会社2社が「海づくりプロジェクト」として「アマモ場と干潟の生きもの観察会」への協力とタイとヒラメの稚魚放流。写真はヒラメの稚魚。

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 伊勢かまぼこを製造販売する「若松屋」(伊勢市河崎)と、伊勢ひじきを製造販売する「北村物産」(同市東大淀町)の、共に創業100年を超える老舗食品加工会社2社が5月24日と6月7日の2日間、「海づくりプロジェクト」として「アマモ場と干潟の生きもの観察会」への協力とタイとヒラメの稚魚放流を行った。

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 同プロジェクトは、2社が海の博物館(鳥羽市浦村町大吉)で開催される「アマモ場と干潟の生きもの観察会」に協力するとともに、観察会の最後に「海づくりプロジェクト」で購入したタイとヒラメの稚魚を子どもたちと一緒に放流するもの。放流した稚魚は2日間でタイ1,400匹、ヒラメ2,000匹を数えた。

 アマモ場は、海の汚れの原因となる窒素やリンを吸収し、魚介類が卵を付けたり、稚魚や幼魚のすみかとして「海のゆりかご」と呼ばれるが、近年、埋め立てや護岸工事、生活排水、工場排水の流入など影響で激減している。伊勢湾のアマモ場は50年前に比べて9割以上が失われ、松阪、伊勢、鳥羽市沖など数カ所しか残っていない。同観察会は、海の博物館周辺に残るアマモ場や干潟に出て、そこに生育するさまざまな海の生きものを観察し海の環境について学ぼうとするもので、同プロジェクトはその趣旨に賛同し、同博物館に協力する形で実現した。

 若松屋の美濃松謙専務は「まずは2社で始めた『海づくりプロジェクト』だが、今後賛同企業を増やし、三重県や大学研究者らの意見を聞きながら地域全体で伊勢湾の環境保全とその再生のために活動をしていきたい」と意欲を見せる。北村物産の北村裕司専務は「子どもたちが地元の海に触れ合って、海っていいな――と感じることから始まるように思う。私たちのやっている事は本当に小さな事だが、継続することで大きな輪になれば」と話す。

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