伊勢名物「神代餅」、神宮前にカフェ「茶房太助庵」-倉庫をリノベーション

伊勢の銘菓「神代餅」も食すことができる「茶房太助庵」。倉庫をリノベーション。

伊勢の銘菓「神代餅」も食すことができる「茶房太助庵」。倉庫をリノベーション。

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 伊勢の銘菓「神代餅(かみよもち)」の製造販売や土産物店、食堂などを展開する「勢乃國屋(せのくにや)」(伊勢市宇治今在家町)は9月1日、「茶房 太助庵(たすけあん)」(同、TEL 0596-29-2323)をプレオープンした。グランドオープンは9月21日。

できるだけ当時のままを残した「茶房太助庵」の入り口。

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 1913(大正2)年、伊勢神宮前に「中村太助商店」を創業し、1969(昭和44)年、店名を改め現在の「勢乃國屋」として営業を続ける。「中村太助商店」は創業者=中村太助の名を取ったもので、同社社長の中村基記さんからみると曾祖父にあたる。「神代餅」はつぶ餡(あん)を天然のヨモギを混ぜた餅で包んだ草もちで、1975(昭和50)年に皇太子殿下(今上天皇)に献上する歴史を持つ。

 新店舗「茶房 太助庵」は1934(昭和9)年から倉庫として使用していた建物をリノベーションし、創業者の写真やその当時の看板、家具などを展示する。2階にはギャラリーも併用可能なスペース(30席)もある。1階の席数は20席。

 メニューは、神代餅と伊勢茶のセット(350円)、抹茶セット(500円)、神代餅に使うヨモギ餅を入れた冷やしぜんざい(500円)、和テイストのケーキ(450円)、コーヒー(400円)、アイスコーヒー(同)、アイス抹茶オレ(450円)などを用意する。

 中村社長は「おはらい町はいつもにぎやかで、歩いてまちを散策する人がほとんどだが、こちら(国道23号・御幸行道路)側は車での通行が大半でにぎわいに欠ける。こちら側にもにぎわいを引っ張りたいと思い、この倉庫を再利用できないものかと約3年前から考え、ようやく完成した。店内はできるだけ当時のままの状態を残した」と話す。

 「将来的には勢乃國屋の店も創業時のままに建て替え、隣の才屋(そば店)さんと当店、そして今後新たな店舗の出現に期待し、こちら側にもにぎわいを作っていきたい。夢は1903年~1961年、市内を走り、内宮前駅もあった路面電車(神都電車)を再現し、店の前の御幸行道路を走らせたい」と中村社長。「グランドオープンの9月21日は、ひいじいさんの命日にあたる。『創業者の思いを受け継ぐ』という思いを込めてあえてその日を選んだ。地元の人に愛される店舗を目指していきたい」と意欲をみせる。

 営業時間は9時~16時。

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