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「日本青伸会」伊勢の森にヒノキ100本を植樹 全国から80人が参加

「日本青伸会」伊勢の森にヒノキ100本を植樹 全国から80人が参加

「日本青伸会」伊勢の森にヒノキ100本を植樹 全国から80人が参加

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 公益法人「日本青伸会(にっぽんせいしんかい)」(東京都千代田区)が4月28日、恒例の植樹祭を「ひもろぎの里」(伊勢市勢田町)で行った。

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 同会は、伊勢神宮の社殿などを新しく建て替える第59回の式年遷宮で、屋根材に使うカヤを栽培するための山を開拓するために、全国から約4000人が集い結成された「神宮萱地造成奉仕隊」がカヤ地完成後に、勤労奉仕で培った「奉仕・友愛・忍耐・進取」の精神を後世に伝えようと、1943(昭和18)年に「屋船会」を結成したのが始まり。現在は青少年の育成を目的に活動し、昨年結成80周年を迎えた。

 伊勢神宮内宮(ないくう)と外宮(げくう)の中間地にある約2万8000平方メートルの同会所有の山地を「ひもろぎの里」と称し、植樹祭は1980(昭和55)年から毎年行われている。これまで伊勢神宮から譲り受けた苗木(ヒノキ、スギ、サカキ)を植樹してきた。

 参加した会員は、山形県から熊本県までの約80人。前日には内宮の古殿地の清掃奉仕にも参加、この日はヒノキの苗木100本を森の斜面に植樹した。

 同会4代目理事長の久本惠章(やすたか)さんは「戦後の混乱で4年遅れの1953(昭和28)年に斎行された第59回式年遷宮で使うカヤを作るため、度会郡小川郷村(現在の度会町川口)の約100万平方メートルの山を開拓することになった。1942(昭和17)年から1年3カ月で延べ5万人以上が、開墾からカヤの植栽に至るまでをほぼ人力で行った。敗戦の荒廃の中から立ち上がり今日まで貫いてきた『御萱地精神』を後世につないでいきたい」と話す。

 伊勢神宮広報室次長で神宮参事の音羽悟さんは自身もボーイスカウトの隊長として長年青少年の育成に力を注いできた。音羽さんは「昔と今では社会情勢も違うので若い人たちに、開墾当時のことを理解してもらうことは難しいが、まずは植樹を体験し楽しいと思ってもらうことが大切。若い人たちの可能性を引き出してあげられる環境・組織として日本青伸会が永続的に活動を続けていけるように個人的にも応援していきたい」とエールを送る。

 久本さんは「最初に植えた木の間伐やユースキャンプ、水田作りなどにも積極的に取り組んでいきたい。多くの人に参加してもらえれば」と呼びかける。

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