南米チリで発生した大地震による津波について、気象庁は2月28日9時33分、大津波・津波警報などを発表。広域伊勢志摩圏でも津波警報が発表され、沿岸部の住民に対して避難指示、避難勧告などが行われた。
志摩市・賢島港で約1メートルの津波を。堤防の海水線が津波発生を物語る。
伊勢市は、9時災害対策本部を設置、13時10分避難指示・避難勧告、21時28分解除、明和町は、9時40分に災害対策本部を設置、13時45分避難勧告、20時30分解除、鳥羽市は、9時33分に災害対策本部を設置、12時30分に避難指示、21時20分解除を、志摩市は、9時34分に災害対策本部を設置、11時25分避難勧告、21時30分解除。南伊勢町は、9時33分に災害対策本部を設置、12時避難勧告、13時避難指示、22時13分解除。
各行政は、海に面しない高地にある地域以外の沿岸部住民を中心に、防災無線、防災個別受信機、ケーブルテレビ行政チャンネルでのL字放送、広報車、公式ホームページなどで避難指示、勧告などを行った。
広域伊勢志摩圏内の各公共機関、施設の対応は以下の通り。近畿日本鉄道は、13時ごろから五十鈴川駅~賢島駅間の運転を見合わせた。22時3分試運転後、運転を再開。鳥羽市営定期船は、午後の便を全便運航停止し、6隻の船を伊勢湾内飛島北沖で待機した。伊勢湾フェリーは、10時30分の伊良湖行き船を出した後、終日運休、3隻のフェリーを松阪港沖で避難した。三重交通バスは、沿岸部路線について昼ごろから運休。夕方遅くに安全を確認後運転再開。鳥羽湾、英虞湾で遊覧船業務などを行う近鉄マリンレジャーは11時台の遊覧船、定期船を出航後、全便運休し、その後伊勢港沖と英虞湾口御座沖で待機した。
二見興玉神社(伊勢市二見町)は、堤防がない市道を通るため13時30分業務を終了、二見シーパラダイス(同)は、14時15分閉館、御木本真珠島(鳥羽市鳥羽)は13時30分営業中止した。鳥羽水族館(同)は、1階チケット売り場を閉鎖し2階に移動、館内に人員を増やし、情報収集と安全対策を講じながら営業を続けた。
志摩市では、英虞湾の真珠イカダが移動した報告、南伊勢町では、タイの養殖イカダ7基が移動、1基が壊れた(3月1日13時現在)。賢島港(志摩市阿児町)では100センチ、五ヶ所浦(南伊勢町五ヶ所浦)では110センチの潮位の変化を観測した。