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水平線ギリギリで「見ると長生きできる」といわれる星=カノープス、志摩で観望会

水平線ギリギリで「見ると長生きできる」といわれる星=カノープス、志摩で観望会。海女小屋風飲食店「海女 dining あづり」で

水平線ギリギリで「見ると長生きできる」といわれる星=カノープス、志摩で観望会。海女小屋風飲食店「海女 dining あづり」で

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 夕日がきれいな阿津里浜(あづりはま)に昨年オープンした海女小屋風飲食店「海女 dining あづり」(志摩市志摩町越賀、TEL 0599-85-7889)で1月24日、「見ると長生きできる」といわれるほどなかなか見ることができない星「カノープス」を見る観望会が開催される。

「海女 dining あづり」からの夕日

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 冬の夜空で最も明るい星おおいぬ座のシリウスと、オリオン座の左上の赤い星ベテルギウスと、こいぬ座のプロキオンを結んだ線が「冬の大三角」。その冬の大三角形の下に位置し、おおいぬ座の前足と後足の星を結び、その線の延長線、水平線近くにある赤く輝く星がカノープス。

 カノープスは、りゅうこつ座の一つでシリウスに次いで全天2番目に明るい恒星。冬12月~2月の22時前後の深夜、南の水平線(地平線)ギリギリにしか上がらない星で、中国では「南極老人星」「寿星」「長寿星」などと呼ばれ、見ると長生きする縁起のいい星として知られている。カノープスの南中高度は東京近辺で約2度。沖縄で約10度の高さにまでしか上がらない。全天で2番目に明るい星にもかかわらずあまり輝いて見えないのは、水平線付近の大気やほかの明るい光の影響、雲があったり、見える時間が限られているため。条件が揃わなければ見ることができないため星空ファンの間でも人気がある。

 「特に冬のこの時期、熊野灘に落ちる夕日が一番美しい。日没前に自分もその場にいると、全てを忘れてその夕景に感動する。ここに店を構えたのもこの景色を都会の人に見せたくて」と話すのは同店オーナーの剱山啓助さん。「夕日が沈むまでの一時を楽しんだ後、二胡によるライブを開く。音楽に夢中になっていると、いつの間にか辺りは真っ暗に。ライブが終わり波音だけが聞こえる浜辺。目が慣れ、しばらくすると暗闇の中に明るく輝く多数の星たちに驚がくする。深夜22時を過ぎたころ水平線から赤く輝く星『カノープス』が現れる…。星の美しさを伝えよう。2004年3月7日に他界された山田卓(たかし)先生の遺志を受け継がなければ」と話す。

 故山田さんは、名古屋市科学館で30年間プラネタリウムの解説をしてきた星の第一人者。1992年に退官後、きれいな星空を求めて志摩市志摩町に移り住み、伊勢志摩の豊かな自然環境を多くの人に伝えようと地域の活性化にさまざまな取り組みを行った。

 当日は19時~21時、「ケンザン&シリウス」による二胡ライブ(チャージ1,000円)、21時30分からは宮本英明さんによるカノープスの解説を予定。「長寿汁」の振る舞い(無料)もある。

 「当日は野外での観望になるため防寒対策を忘れずに。山田先生の遺志を受け継ぎ、素晴らしい環境のこの地をどんどんアピールしたい」(剱山さん)とも。

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